[CHALLENGER編集部]
1年間の取材を通じて、CHALLENGERは中小企業の事業承継という社会課題に挑戦し続ける企業を追ってきた。その中でも特に印象的な取り組みを展開するマラトンキャピタルパートナーズ(本社:東京都千代田区、代表取締役:小野俊法)に「事業承継変革大賞」を授与することを決定した。
圧倒的なスピードと規模での成長
2021年4月の設立以来、マラトンキャピタルパートナーズは中小企業の事業承継という課題に正面から取り組んできた。設立からわずか2年半で113.5億円規模の1号ファンドを組成し、その投資実行力は業界の注目を集めている。
多様な業種への広がり
2024年、同社の投資ポートフォリオは幅広い業種に拡大している。
建設・Webソリューション分野では、建設業者向けWebソリューションを提供するオールシステム、不動産デベロッパー向けデジタルマーケティングを手掛けるQLEAへの投資を実行。
製造業分野では、90年の歴史を持つアパレルOEM製造のアオキ、電子・電気・機械の輸出入及び製造販売を行うアルファエレクトロニクス、金属表面加工の冨士鍍金工業所など、日本のものづくりを支える企業への投資を展開。
サービス業分野では、長崎県のさわもと犬猫病院、情報誌・WEB・映像制作のハッシュ、セキュリティ製品販売の東邦技研など、地域に根ざした専門性の高い企業をポートフォリオに加えている。
独自の投資手法
マラトンキャピタルパートナーズの特徴は、単なる資金提供に留まらない包括的な経営支援にある。必要に応じて経営人材を派遣し、実務レベルでの支援を実施。各社の事業特性に応じたデジタルトランスフォーメーションも推進している。
特に注目すべきは、日本プロ経営者協会との提携によるコミュニティ型サーチファンドの取り組みだ。これにより、投資先企業に対して、より深い知見と経験を持つ経営人材のマッチングが可能となっている。
次世代の投資プロフェッショナル育成
同社は、投資プロフェッショナルの育成にも力を入れている。業界最高水準のキャリー配分と明確なキャリアパスを提供し、次世代の投資人材の育成に取り組んでいる。
VPレベルで1.5億円以上、MDクラスで4~6億円程度のキャリーが見込まれるなど、その報酬体系は業界の常識を覆すものだ。さらに、社員自身がファンドに投資できる機会を提供することで、長期的な資産形成も支援している。
アワード選考理由
CHALLENGERは、以下の点を高く評価し、「事業承継変革大賞」の授与を決定した。
- 113.5億円という大型ファンドの短期での組成
- 多様な業種における実践的な経営支援の実績
- コミュニティ型サーチファンドという革新的なアプローチ
- 次世代投資人材の育成に向けた独自の取り組み
マラトンキャピタルパートナーズの挑戦は、中小企業の事業承継という社会課題に対する新しい解決策を提示している。単なる資金提供を超えて、経営支援、人材育成、業界構造の変革まで視野に入れた包括的なアプローチは、今後の日本の産業界に大きな影響を与えるものと期待される。
[CHALLENGER編集部]
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