2024年4月5日、宮崎発のスタートアップATOMica株式会社は、創業5周年の記念すべき日を迎えました。ATOMicaは、この節目の年に三井不動産、イオンモール、KDDIを主要な引き受け先として、総額6億5,000万円の資金調達を達成したことを発表しています。
ATOMicaは2019年の創業以来、全国各地でソーシャルコワーキング®の展開を進めてきました。コワーキングスペースの設置を通じて、企業、自治体、大学、地域コミュニティなど多様なパートナーと協働しながら、人と人をつなぐサービスを提供してきたのです。現在までに、日本全国で31の施設をオープンし運営しています。
創業者の嶋田瑞生氏と南原一輝氏は、単なるコワーキングスペースの提供にとどまらず、より大きな夢を抱いていました。コミュニティやイベントの企画、人材マッチングなどを通じて、人と人を結び続けるプラットフォームを構築することが究極の目標なのです。
本調達資金は、その夢の実現に向けた大きな一歩となります。ソーシャルコワーキング事業の更なる価値向上に加え、いよいよプラットフォーム事業の本格始動が視野に入ってきました。多様な地域の人々とニーズを結びつけ、”頼り頼られる関係性を増やす”ことが新たなミッションとなりました。
同社では、この機会を捉えて体制の大胆な強化も行われました。嶋田氏と南原氏のほかに、4名のCxO(最高責任者)が新たに就任し、意思決定の質と速度が格段に高まることになりました。
また、コーポレートサイトを全面リニューアルし、ミッション・ビジョン・バリューを再定義する作業も行われました。新生ATOMicaは、「願いと出会いのあいだに。」をコンセプトに掲げ、すべての願いに寄り添い、人と人を結び続けることをビジョンとしています。
挑戦者であるATOMicaを支える側に回って、今回の動きをどう見るべきでしょうか。
この5年間、ATOMicaは全国各地でコワーキングを広げながら、ゆっくりとしかし着実にその地歩を固めていきました。産業創造の観点から見れば、待望の新サービスやプラットフォームへの布石を打ってきたと言えます。そしてついに本格始動の時を迎えたのです。
投資家を含む新規・既存の株主の力を借りて、地域に根差したニーズとリソースとを結びつけ、新たな価値を創出していく。その軌跡に注目が集まります。単に採算性の高い事業を目指すのではなく、地方創生やコミュニティづくりといった大きな社会課題の解決を見据えた挑戦です。
地方の活力は日本経済の重要な鍵を握っています。今回の資金調達と体制刷新により、地方発のベンチャーATOMicaからどのような産業創造の芽が生まれるのか、大いに期待が持てそうです。多様な地域や人々を結ぶプラットフォームの着実な進化に、応援の目を向けたいと思います。
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