近年、地方の中小企業では後継者不足が深刻な問題となっています。一方で、大企業で能力を発揮できず、経営者を目指す若手人材も少なくありません。この2つの課題解決に取り組むのが「サーチファンド」という新たなビジネスモデルです。
サーチファンドは、1984年にアメリカのスタンフォード大学ビジネススクールで生まれました。経営者を目指す優秀なビジネスパーソンであるサーチャーが、投資家の支援を受けながら、承継先企業を探索し、マッチングが決まれば株式買取資金の投資を受け、経営者として事業を引き継ぐ仕組みです。
日本では2019年に山口キャピタル株式会社が初めてサーチファンドに取り組みました。これまでに複数のサーチャーが誕生し、地域企業の事業承継に貢献しています。
サーチファンドの大きな特徴は、企業とサーチャーの丁寧なマッチングプロセスにあります。サーチャーは、承継候補企業のオーナーと直接面談し、お互いの考えや期待をすり合わせます。オーナー側も、サーチャーの能力や人柄を見極めた上で後継者とするかを判断できるのです。M&Aとは異なり、社名や企業理念を引き継ぐことも可能です。
山口キャピタルは、サーチファンドの普及を通じ、都市部の優秀な人材を地方の中小企業に送り込むエコシステムの構築を目指しています。事業承継問題の解決だけでなく、地域活性化や若手人材不足の改善にも貢献できると考えています。
今後もサーチファンドには大きな注目が集まるでしょう。地方での経営に挑戦したい若手ビジネスパーソンと、承継先を探す中小企業オーナーのWIN-WINの関係を生み出す画期的なモデルだからです。
6月23日(日)19:00には、オンラインセミナー「ビジネスマンへ届ける新たなキャリア~地方で企業経営に挑戦~」を開催するとのこと。
サーチファンドは、日本の地域社会が抱える諸課題を解決する一助となるはずです。産業創造の新たな挑戦者として、今後のサーチファンドの動向から目が離せません。
コメントを残す