越境と共創で滋賀の未来を描く – SUNDRED主導の地域リビングラボ『co.shiga』が挑む新たな産業エコシステム構築

2024年7月13日、滋賀県守山市役所にて、地域の未来を共創するイベント「第1回 co.shiga.5」が開催される。このイベントは、新産業のエコシステムビルダーを目指すSUNDRED株式会社が中心となって立ち上げたco.shiga実行委員会が主催するもので、滋賀県における「リビングラボ」の創設を目指す意欲的な取り組みだ。

リビングラボとは、企業、自治体、大学、市民など多様なステークホルダーが協働して地域課題の解決や新たな価値創造を行う「社会実験の場」を指す。欧州を中心に広がりを見せ、日本でも各地で導入が進んでいるが、滋賀県での本格的な取り組みは今回が初めてとなる。

SUNDREDは2021年に栃木県那須地域で「ナスコンバレー」というリビングラボを立ち上げ、その経験を活かして全国各地でオープンイノベーションの場づくりを進めてきた。今回の滋賀県での取り組みは、同社のこうした実績の延長線上にあるものだ。

今回のイベントでは、「教育・子育て」をテーマに5名の登壇者が自身のプロジェクトや構想についてプレゼンテーションを行う。参加者は「共創したい」「支援したい」「もっと聞きたい」「やってみたい」「話してみたい」という5つの選択肢から関わり方を提示し、その場でマッチングを図る。さらに交流会を通じて、滋賀県の教育・子育てに関心を持つ人々のコミュニティ形成を目指す。

SUNDREDが提唱する「インタープレナー」という概念も、このイベントの重要な要素となっている。インタープレナーとは、組織の枠を超えて社会起点で発想し、オープンでフラットな対話を通じて目的を共創し、仲間とリソースを集めてプロジェクトを進める「社会人」のことを指す。

今回のイベントには、地元企業の株式会社村田製作所や守山市役所、地域活性化に取り組む株式会社みらいもりやま21なども参画。産官学民が一体となって地域の未来を考える場となる見込みだ。

教育・子育てに関する登壇者も多彩だ。有限会社LIBの伴野真教氏は「リアルとメタバースを使ったマルチバースの未来の学校」というテーマでプレゼンを行う予定だ。また、学生団体BohNoの池元優妃奈氏は食育をテーマに、若者の視野を広げる取り組みについて語る。

co.shiga実行委員会は、7月17日に一般社団法人co.shigaとして正式に発足する予定だ。今後は定期的にイベントを開催し、テーマも教育・子育てに限らず、環境、福祉、産業振興など多岐にわたる予定だという。

SUNDREDの取り組みは、地方創生や産業振興の新しいモデルとして注目される。組織の壁を越えた「インタープレナー」たちの活躍が、どのような未来を切り開いていくのか。滋賀の地から始まる新たな挑戦に、今後も注目していきたい。

(産業イノベーション部門編集部)

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編集部コメント:SUNDREDが主導する「co.shiga」の取り組みは、単なる地域活性化策にとどまらない、新しい社会システム構築の試みとして非常に興味深いものです。特に「インタープレナー」という概念は、今後の社会や組織のあり方を考える上で重要なキーワードになる可能性があります。一方で、こうした取り組みが持続可能なものとなるか、また実際にどのような成果を生み出していくかは、今後しっかりと見ていく必要があるでしょう。地域に根ざしながらも、グローバルな視点を持つSUNDREDの挑戦が、日本の産業や社会にどのようなインパクトを与えていくのか、引き続き注目していきたいと思います。

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