はじめに
ブランド共創部 担当部長の浜崎正己です。当社THE WHY HOW DO COMPANY(東証スタンダード:3823、以下「ワイハウ」)は2025年3月に「ブランド共創部」を設立し、大手企業の新規事業創出と既存事業の再成長を加速するための共創エコシステムを提供しています。
その中核サービスとなる「PoC先とのマッチング・スピード検証」は、大手企業特有の新規事業開発における課題—社内合意形成の遅れ、既存ブランドへの過度な配慮、投資リスクへの懸念—を解消し、市場投入までの期間を大幅に短縮するものです。本稿では、このサービスの特徴と、具体的な活用シーンについて解説します。
大手企業の新規事業開発における課題
当社が多くの大手企業との協業を通じて見出した課題は、以下の通りです。
- 社内合意形成や稟議に時間がかかり、PoC(実証実験)がスムーズに進まない
- 既存ブランドに安住しがちで、新たな顧客層・市場へのリーチに苦戦する
- 投資リスクを最小限に抑えつつ、スピーディに事業拡大を図ることが難しい
- 社内外ステークホルダーの巻き込み方がわからず、新規事業開発が停滞する
これらの課題は互いに関連し合い、結果として大手企業の新規事業開発における「実行力の低下」を招いています。特に市場検証の遅れは、競争環境の激化するビジネス環境において致命的な問題となり得ます。

ブランド共創部の「PoC先マッチング・スピード検証」サービスの特徴
ブランド共創部では、これらの課題に対応するため、「試しやすく、失敗が許容される検証環境」を提供しています。以下がその特徴です。
1. 多彩なグループ企業・パートナーとの連携による検証環境の提供
当社は以下のような多様な検証環境へのアクセスを提供しています。
- モビリティ・EV領域:Terra Motors(EV二輪・三輪車製造)やTerra Charge(充電インフラ提供)との提携により、次世代モビリティサービスの実証環境を整備
- エアモビリティ:AirX社との業務提携を通じて、空飛ぶクルマ(eVTOL)の航空機、整備、ヘリポート、予約、決済などの統合型プラットフォームへのアクセスを提供
- IoT技術:WHDCアクロディアの「Acrodea IoT」プラットフォームを活用した技術検証環境
- Z世代向けマーケティング:「渋谷肉横丁」(年間来場者数数十万人)を活用した若年層向けマーケティング検証の場
- 教育・人材育成:インタープランとの連携による実践的IT教育環境
これらのリソースは当社が実際の事業として運営または提携関係にあるものであり、外部企業様の検証ニーズに応じて迅速に展開可能です。
2. メディアを通じたブランド発信と市場反応測定
当社が運営する複数のメディアチャネルを活用し、新規事業の認知形成と市場反応の測定をサポートします。
- 「CHALLENGER/産業創造の挑戦者たち」:当社が運営するメディアにて、新規事業のストーリーやトップマネジメントのビジョンを発信
- 「価値創造ラジオ」:Podcastによる音声メディアで新規事業の取り組みを紹介
- 「SHIBUYA CHALLENGERS」:渋谷を拠点に活動する挑戦者を紹介する連載企画
浜崎自身がCHALLENGERの編集長を務め、累計60件以上のメディア支援実績を有しています。このメディア発信力を活用することで、社内でのイノベーションマインド醸成と、社外でのステークホルダー関係強化を同時に実現します。
3. ファイナンス連携・投資家コミュニティの活用
新規事業の成長フェーズに応じた資金調達や事業の独立を支援します。
- VC/PE、金融機関、個人投資家とのネットワークを活用した追加投資の検討
- 合弁・スピンアウト等、社内外の資本・リソースを最大限活かす戦略の構築
- 大手企業の持つ既存アセットや信用力を効率的に収益化するスキームの提案
活用シーン:PoC先マッチング・スピード検証サービスが特に有効な場面
ブランド共創部の「PoC先マッチング・スピード検証」サービスは、以下のような場面で特に効果を発揮します。
次世代モビリティ領域での新規事業検討
- 具体的シーン:
- EV充電インフラを活用した新サービス構想の検証
- 新興国市場向けEV二輪・三輪車ビジネスの検討
- 空飛ぶクルマを活用した新たな移動体験の提案
当社はTerra Motors、Terra Chargeとの提携・資本関係により、モビリティ領域での実証環境をすでに整備しています。Terra Chargeは国内EV充電インフラで15,000基超の設置実績を持ち、国内最大規模のネットワークを有しています。
Z世代向け製品・サービス開発
- 具体的シーン:
- 若年層の消費行動やトレンドの実地観察
- 新商品のテストマーケティングとフィードバック収集
- Z世代向けマーケティング戦略の検証
当社の100%子会社である渋谷肉横丁(28店舗、年間来場者数数十万人)は、若年層マーケティングの実験場として機能しています。2025年2月に開始した「Z世代・渋谷のカルチャーリサーチ」プログラムでは、マーケティングトレースとの連携により、若年層の行動観察とインサイト獲得のための体系的なアプローチを提供しています。
新たな収益モデルへの転換
- 具体的シーン:
- 従来のワンタイム販売からサブスクリプションモデルへの転換検討
- 既存販売チャネルへの影響を最小化した検証の実施
- データ連携型サービスの市場受容性確認
当社のIT関連子会社との連携により、収益モデル転換に必要な技術検証とビジネスモデル設計の両面からサポートします。
価値創造本部との連携によるトータル支援
当社ブランド共創部は、2025年1月に設立された「価値創造本部」との密接な連携により、「理論と実践」の両輪を揃えた総合的な支援を提供します。
- 価値創造本部:新規事業コンサルや経営教育を通じて事業アイデア~立ち上げ段階を深くフォロー
- ブランド共創部:メディア・投資家・PoC先との連携を担当
この「理論+実践」の連携により、新規事業開発における構想から実行までをシームレスにサポートし、大手企業特有の社内外のステークホルダーを巻き込みやすい”共創エコシステム”を構築します。
サービス利用の流れ
ブランド共創部の「PoC先マッチング・スピード検証」サービスは、以下のステップでご利用いただけます。
- 初回無料相談
- お問い合わせフォームからのご連絡
- オンラインまたは対面での課題ヒアリング
- 提案・計画策定
- 課題に応じた最適なPoC環境と支援内容の提案
- 実施計画の策定
- 契約・キックオフ
- 秘密保持契約(NDA)を含む契約締結
- 詳細計画の策定とキックオフミーティング
- PoC実施・分析
- 実証実験の実施と定期的な進捗確認
- データ収集・分析と方向性の調整
- 報告・次のステップ
- 検証結果の分析レポート提出
- 事業化に向けた提案と次のステップの設計
今後の展望
ブランド共創部では、今後以下の取り組みを通じてサービスをさらに強化していきます。
- 新規事業創出事例の積極的発信
- 経営者・新規事業担当・学術関係者を交えた対談企画や公開イベントを通じたノウハウの共有
- 大手企業間のコラボレーションや産学連携の促進
- 業界・領域を超えたPoCのマッチングプログラム
- 多様なパートナー企業との共同検証の場の定期開催
- ワイハウグループリソースを活用したPoCの効率的実施
- ファイナンス面での強化支援
- 投資家・金融機関との連携スキームの拡張
- 大型資金調達・M&A・合弁案件などの選択肢提供
結論:新規事業開発を加速する実践的パートナー
ブランド共創部の「PoC先マッチング・スピード検証」サービスは、大手企業の新規事業開発における「考え抜いてから行動する」従来型アプローチから、「小さく始めて素早く学ぶ」アジャイル型アプローチへの転換を支援します。
当社が構築した多様な検証環境とメディアネットワークは、大手企業が抱える実証実験の障壁を取り除き、市場検証から事業化までのプロセスを加速します。
「価値創造経営の力で、もう一度豊かになる」という当社理念のもと、日本企業の新たな価値創造に向けた挑戦を、ブランド共創部は実践的に支援してまいります。
お問い合わせ先
ブランド共創部の「PoC先マッチング・スピード検証」サービスに関するお問い合わせは、下記までご連絡ください。
- お問い合わせフォーム:https://twhdc.co.jp/inquiry/
- 担当:ブランド共創部 担当部長 浜崎正己
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