株式会社アドバンテッジパートナーズのAPファンド投資先であるマテリアルグループ株式会社が東証グロース市場に上場 ~ コロナ禍以降4社目のIPO事例、PE投資によるスタートアップ・ベンチャー支援の可能性に注目が集まる ~

株式会社アドバンテッジパートナーズ(以下、アドバンテッジパートナーズ)が運用するファンド(以下、APファンド)の投資先である、マテリアルグループ株式会社(以下、マテリアルグループ)が、2024年3月29日に東京証券取引所グロース市場に上場しました(証券コード:156A)[^1]。

マテリアルグループは、PR発想とストーリーテリングをコアとしたマーケティング・コミュニケーションの専門事業集団です。PR業界随一の企画力を武器に、アジア初のCampaign Global Agency of the Yearのブロンズ賞(2021年)をはじめ、国内外で高い評価を得ています[^1]。

APファンドがマテリアルグループに投資した背景には、既存のマス広告に対して費用対効果に優れたPR発想とストーリーテリングの強固な競争優位性と、デジタル広告を中心とした周辺分野への進出を見立てたグロース投資の狙いがありました。投資実行前の2018年8月期の売上高19.1億円から、2024年8月期業績予想では57.7億円と約3倍の成長を見込んでいます[^1]。

アドバンテッジパートナーズは、投資後のバリュークリエイション活動として、6社の追加買収、経営人材の補強、大口クライアント開拓等、様々な支援を行ってきました[^1]。

今回のIPOでは、主幹事を務めた野村證券とアドバンテッジパートナーズが蓄積したIPOノウハウを基に協業。その結果、APファンド投資先のIPOとしては、2020年3月のきずなホールディングス以来、4件連続で仮条件上振れと、仮条件レンジの上限での公開価格決定を実現しています[^1]。

アドバンテッジパートナーズは、今後もマテリアルグループの発展と、同社のミッション「すべての個性に情熱を灯し、可能性を最大化する」の実現をサポートしていく方針です[^1]。

今回のマテリアルグループの上場は、コロナ禍以降のAPファンド投資先としては4社目のIPO事例となりました。アドバンテッジパートナーズに限らず、国内外のPE(プライベートエクイティ)ファンドによる、スタートアップ・ベンチャー企業への投資と支援が、イノベーション創出と産業の発展に重要な役割を果たしていることが再認識される出来事と言えるでしょう。

金融・投資業界に詳しい当編集部の金融アナリストA氏は、「PEファンドは、資金面での支援だけでなく、経営ノウハウの提供や人的ネットワークの活用など、ハンズオン型の伴走支援を行うことで、投資先の企業価値向上を図ります。単なる資金提供者ではなく、経営パートナーとしての役割を果たすことが特徴です」と指摘します。

また、スタートアップ・ベンチャー企業を取材してきた当編集部の記者B氏は、「創業間もない企業にとって、事業成長に必要な資金調達と同時に、経営面でのサポートを得られるPEファンドの存在意義は大きい。特に、IPOを見据えた成長戦略の策定や、管理体制の強化など、上場準備のプロセスにおける伴走は心強い支援となります」と述べています。

マテリアルグループのIPO事例は、PEファンドがスタートアップ・ベンチャー企業の成長をいかに後押しできるかを示す好事例の一つと言えるでしょう。アドバンテッジパートナーズを含むPEファンド業界の動向が、イノベーティブな企業の登場と産業の新陳代謝を加速させる鍵を握っていると考えられます。

今後も、スタートアップ・ベンチャー企業とPEファンドの連携が生み出すインパクトから目が離せません。イノベーションの芽を育む土壌づくりに、ファンド業界がいかに貢献できるのか。当編集部では引き続き注目していく方針です。

[^1]: 株式会社アドバンテッジパートナーズ プレスリリース「AP ファンド投資先からコロナ禍以降 4 社目の IPO をマテリアルグループが実現」(2024年3月29日付)より引用。
URL: https://www.advantagepartners.com/news/20240329/


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