【CEO/CXO・投資家向け:経営のヒント】大広が挑む「事業開発代理業」の可能性 – マタニティウェアサブスクで見る新規事業創出の新たなアプローチと、既存企業が市場ニーズに迅速に応える方法

2024年10月4日

大手広告代理店の株式会社大広が、新たな取り組みとして「まるっと請け負う事業開発」プログラムを展開し、その一環として働く女性向けマタニティウェアのサブスクリプションサービス「worternity(ワータニティ)」の実証実験を開始しました。この挑戦は、既存企業が新規事業を迅速に立ち上げ、市場ニーズに柔軟に対応する新しいモデルとして注目されています。

本サービスは、月額9,900円(税込)で毎月3着のマタニティウェアを選べる仕組みで、働く女性の細かなニーズに応えつつ、限られた期間での使用という特殊性にも配慮しています。200以上のラインナップを揃え、体型や季節、仕事環境に合わせた選択が可能となっています。

大広の「まるっと請け負う事業開発」プログラムの特徴は以下の点にあります。

1. 新規事業家をフェロースタッフとして招聘し、外部の専門知識を活用

2. 事業創出戦略から顧客拡大までを一貫して代行する「事業開発代理業」というコンセプト

3. クライアントの新規事業開発のスピードアップを実現

この取り組みは、既存企業が抱える新規事業開発の課題、特に意思決定の遅さや企業風土の影響による停滞を解決することを目指しています。実際に、今回のプロジェクトでは構想から3ヶ月でECサイトをオープンするなど、迅速な展開を実現しています。

新規事業家の守屋実氏は、このアプローチについて「新規事業に真っ向から向き合う環境の中で活動をしている。このチャレンジに時代の変化を強く感じる」とコメントしており、既存企業の新規事業開発の新たな可能性を示唆しています。

【産業創造部編集部コメント】

大手広告代理店による「事業開発代理業」の試みは、既存企業の新規事業開発に新たな道筋を示す可能性を秘めています。特に注目すべきは、外部の専門家を活用し、クライアントの意思決定プロセスから離れて迅速に事業を立ち上げる手法です。これにより、大企業特有の新規事業開発の課題を克服し、市場ニーズにより柔軟に対応できる可能性があります。

また、マタニティウェアのサブスクリプションサービスという具体的な事例は、ニッチな市場でも、適切なビジネスモデルと迅速な展開により、新たな価値を創造できることを示しています。このアプローチは、他の産業分野でも応用可能であり、既存企業が新たな市場機会を捉える際のヒントになるでしょう。

CEOやCXO、投資家の皆様にとって、この事例は以下の点で重要な示唆を含んでいます。

1. 外部リソースの戦略的活用:新規事業開発において、社内リソースだけでなく、外部の専門家や新しい視点を積極的に取り入れることの重要性

2. スピード重視の事業開発:市場ニーズに迅速に対応するための、意思決定プロセスの簡素化や実験的アプローチの有効性

3. ニッチ市場への注目:大手企業でも、適切なアプローチを取ることで、特定のニーズに応える新規事業を成功させられる可能性

今後、この「事業開発代理業」モデルがどのように発展し、他の企業や産業にどのような影響を与えるか、注目に値します。既存企業が新たな価値創造に挑戦する際の選択肢の一つとして、このアプローチを検討する価値があるでしょう。

最後に、このような新しい取り組みは、日本企業の競争力強化と産業の活性化につながる可能性を秘めています。経営者の皆様には、自社の新規事業開発戦略を見直す機会として、この事例を参考にしていただければと思います。

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