ホシザキ、ESG経営の強化とグローバル展開の加速で長期ビジョン実現へ ー 2026年売上高4,500億円、ROE12%以上の達成に向けて全社で取り組み

総合フードサービス機器メーカーのホシザキ株式会社は、2026年を最終年度とする5ヵ年経営ビジョンの実現に向け、ESG経営の強化とグローバル展開の加速に注力しています。同社は長期的にありたい姿として「世界No.1」を掲げ、持続的な企業価値向上を目指しています。

ホシザキの小林靖浩社長は、統合報告書2023のトップメッセージで「5ヵ年経営ビジョンの達成に向けて、経済価値のみならず社会・環境価値の向上に全社を挙げて取り組む」と述べています。2026年12月期の数値目標として、売上高4,500億円(うちM&A500億円)、営業利益630億円(M&Aのれん償却前)、ROE12%以上が掲げられています。

目標達成に向け、ホシザキは6つのマテリアリティ(重要課題)を特定し、KPI(重要業績評価指標)を設定しました。「気候変動への対応」では、2030年CO2排出量(スコープ1&2)を2014年比50%削減することを目指し、省エネ設備の導入や再生可能エネルギーの利用拡大などに取り組みます。また、国内では2024年末までに業務用冷凍冷蔵庫の冷媒を全て自然冷媒に切り替える計画です。

「新たな顧客価値の創造」では、自然冷媒製品に加え、省人化や食品ロス削減に寄与する機器の開発・販売を強化。主力の飲食市場に加え、流通販売や病院・福祉施設など飲食外市場の開拓を進めます。海外では、買収したイタリアのブレマやトルコのオズティとの協業によりシェア拡大を図ります。

人的資本強化の面では、社員満足度調査の継続実施、女性管理職の育成、グローバル人材の拡充などにより、多様な人材が活躍できる風土づくりを推進します。ガバナンスでは、取締役会の実効性向上、サステナビリティ委員会の新設など、ESG経営の基盤整備を進めています。

CHALLENGER業界動向分析部門によると、ホシザキの長期ビジョンは環境負荷低減と省人化という時代の要請をチャンスと捉え、イノベーションで付加価値を高める戦略が特徴的だといいます。人事制度分析部門からは、ES調査の継続実施と改善PDCAは組織の活力を生み出す基盤となり、多様な人材の成長を通じた企業価値向上は持続的発展に不可欠との見方が示されました。

ホシザキは今後、サステナビリティ委員会の機能強化やTCFD提言に基づく情報開示の拡充など、ESG経営をさらに深化させる方針です。長期ビジョン実現に向けた各施策の進捗と、ステークホルダーとの対話を通じ、社会課題解決と企業価値向上の両立を追求していきます。


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