企業の持続的な成長において、株主や投資家との対話(IR活動)の重要性がますます高まっている。そんな中、2024年3月に東証グロース市場へ上場した株式会社情報戦略テクノロジーが、IR体制を抜本的に強化するための大きな一手を打った。
同社は2025年8月1日、「Investor Relations Center」を新設。さらに、顧問としてIRのプロフェッショナルである美濃部哲也氏を招聘したことを発表した。
なぜ今、専門組織によるIR強化なのか?
近年、SDGsへの意識の高まりや、短期的な利益だけでなく中長期的な企業価値を重視する投資スタイルの広がりを受け、企業と投資家のコミュニケーションは新たな局面を迎えている。
情報戦略テクノロジーは、こうした潮流の中でさらなる事業拡大と企業価値向上を実現するには、より戦略的かつ専門的なIR活動が不可欠と判断。株主・投資家が求める情報を迅速かつ的確に提供し、対話を深めるための専門部署として「Investor Relations Center」の設置を決定した。
注目は、元サイバーエージェント常務・美濃部哲也氏の顧問就任
今回の体制強化で特に注目されるのが、顧問として迎えられた美濃部哲也氏の存在だ。
美濃部氏は、電通を経てサイバーエージェントの常務取締役に就任。その後もテイクアンドギヴ・ニーズ、ストライプインターナショナル、ベクトル、ソウルドアウトなど、名だたる成長企業で取締役や執行役員を歴任し、常に経営トップの側近として事業成長を牽引してきた人物だ。
マーケティングやブランディング、新規事業開発のプロフェッショナルである同氏をIRの顧問に迎えたことは、情報戦略テクノロジーが、単なる情報開示に留まらない「攻めのIR」を通じて、自社の企業価値を正しく、そして魅力的に市場へ伝えていこうとする強い意志の表れと言えるだろう。
また、新設されたInvestor Relations Centerの責任者であるIR Officerには、同社の事業部門責任者でもある執行役員の川原翔太氏が就任。現場を熟知したリーダーがIRの舵取りを担うことで、事業戦略とIR活動がより密接に連携した情報発信が期待される。
IR Officer 川原翔太氏のコメント
新責任者に就任した川原氏は、次のようにコメントしている。
「2024年3月に上場して以来、当社グループは事業成長に真摯に向き合ってまいりました。今後は、より多くの活動情報をお届けするとともに、皆さまのご期待に応えるべく成長いたします。この国をIT先進国に少しでも近づけられるよう、当社グループ一丸となって社会貢献と事業成長を果たしますので、皆さまからのより一層の応援をお願いいたします。」
情報戦略テクノロジーは、Investor Relations Centerを核として、ウェブセミナーや個別ミーティングの機会を増やし、双方向のコミュニケーションを活性化させていく方針だ。
上場後のスタートアップが、次のステージへ向けてどのように企業価値を高めていくのか。同社の新たな挑戦は、多くの経営者や投資家にとって示唆に富むケーススタディとなるだろう。
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