2024年4月1日、新プロジェクト「Project Coalis(プロジェクト コアリス)」が始動しました。同プロジェクトは、日本のスタートアップエコシステムの発展と大企業の次世代に向けた成長を目指し、両者の最適な連携を支援するものです。
プロジェクトには、Coalisのジェネラルパートナーである上原仁氏、原田明典氏、堤達生氏、久保田雅也氏、増島雅和氏という豪華メンバーが名を連ねています。
上原仁氏は、NTT入社後にインターネット事業開発に従事。2006年に株式会社マイネットを創業し、マーケティングSaaS事業をヤフージャパンにM&Aで売却。その後、スマートフォンゲームのM&Aロールアップ市場を開拓し、2015年に東証マザーズ上場、2017年には東証一部に市場変更を果たした。50件を超えるM&A・PMIの経験を持つ。
原田明典氏は、NTT/NTTドコモを経て、ミクシィの代表取締役副社長COO、DeNAの取締役およびCSOを歴任。mixiではSNS事業のオープンイノベーションを推進し、DeNAではライブ事業領域を主要事業に育てた。20年以上にわたり、新規事業やスタートアップとの協業によるオープンイノベーションに取り組んできた。
堤達生氏は、三和総合研究所、グローバルブレイン、サイバーエージェント、リクルート、グリーを経て、ベンチャーキャピタルファンドSTRIVEを設立。シード・アーリーステージの会社への投資を得意とし、数多くのIPO、M&AによるEXIT実績を誇る。2023年には投資家ランキングで上位に名を連ねた。
久保田雅也氏は、伊藤忠商事での勤務を経て、リーマン・ブラザーズ証券などで世界のテクノロジー企業のM&Aアドバイザリーや資金調達支援に従事。WiLの創業にもパートナーとして参画した実績を持ち、スタートアップ投資や大企業のオープンイノベーションに取り組む。最新テックトレンドの発信でも知られる。
増島雅和氏は、M&A法務アドバイザリーに従事した後、金融庁でM&A審査に携わった経験を持つ。2011年から「Startup Innovators」を主宰し、優先株実務の普及やJ-KISSの設計などを手掛ける。著作を通じたオープンイノベーション型取引の啓発にも力を入れている。
上原氏は自身のXで、日本のスタートアップエコシステムの「出口」の問題を指摘し、その解決策としてスタートアップM&Aの拡大の必要性を訴えている。また、大企業にとってもスタートアップのイノベーションや人材を取り込むことが重要だと述べている。
CHALLENGER編集部の見解
実に多彩なバックグラウンドを持つ5名のプロフェッショナルによるProject Coalis。スタートアップ担当の編集部は、「メンバーそれぞれの強みを活かした支援により、スタートアップの選択肢が広がり、エコシステム全体の活性化につながるだろう」と大きな期待を寄せています。
大企業のイノベーションを担当する編集部からは、「各分野のエキスパートの知見を結集することで、大企業とスタートアップの壁を越えた実効性のある支援が可能になる」との見方が示されました。PMIの難しさを理解した上での伴走は、大企業にとって心強い味方となるはずです。
また、経済部門の編集部は、「日本経済の再生には、業種や企業の枠を越えたオープンイノベーションが不可欠」と指摘。「Project Coalisには、その触媒となり、イノベーションのムーブメントを巻き起こすことを期待したい」とコメントしています。
各界の第一人者が集ったProject Coalis。異なる強みを持つメンバーがシナジーを生み出し、スタートアップと大企業という異なる文化を持つ者同士を結び付け、新たな価値創造を促進できるのか。その挑戦に大きな注目が集まります。
日本のイノベーション・エコシステムに新風を吹き込み、産業の活性化と競争力強化を実現する原動力となることを、CHALLENGER編集部は心から願っています。Project Coalisの動向から目が離せません。
(CHALLENGER編集部 スタートアップ担当、経済部門、イノベーション担当)
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