2024年9月17日
はじめに
地球温暖化対策が世界的な課題となる中、日本でも2050年のカーボンニュートラル実現に向けた取り組みが加速しています。その最前線で挑戦を続けているのが、「脱炭素を、難問にしない」をミッションに掲げるレジル株式会社(以下、レジル)です。
本日は、レジルが東京大学田中謙司研究室と共同で取り組む、AIを活用した電力需要予測モデルの開発について、詳しくお伝えします。この研究は、バーチャルパワープラント(VPP)の実現と、ひいては脱炭素社会の構築に向けた重要な一歩となる可能性を秘めています。
レジルと東京大学の共同研究:AIが切り拓く新たな可能性
レジルは、2024年9月13日、東京大学田中謙司研究室(以下、田中研究室)との共同研究成果を発表しました。この研究は、住宅における電力需要の予測モデルに関するもので、2024年9月1日から5日にかけて新潟県で開催された国際学会「The International Conference on Applied Energy(ICAE)」で発表されました。
研究の背景:VPP実現への挑戦
レジルは、マンション一括受電サービスで培った基盤を活用し、太陽光発電設備や蓄電池、EV充電設備などを統合制御するVPP(バーチャルパワープラント、仮想発電所)の構築を目指しています。VPPは、分散型のエネルギーリソースをIoT技術で統合制御し、あたかも一つの発電所のように機能させる革新的な取り組みです。
しかし、VPPの実現には、高度な制御モデルや予測モデルの構築が不可欠です。そこでレジルは、大規模データを活用した社会課題解決研究で知られる田中研究室と手を組み、2023年6月から共同研究をスタートさせました。
研究成果:AIが切り拓く新たな地平
今回の研究成果の核心は、深層学習(ディープラーニング)を用いた新しい電力需要予測モデルの開発です。このモデルの特徴は以下の点にあります。
- 過去のデータを入力せずに予測が可能
- 気候条件や曜日情報などを基に予測を行う
- 従来手法より高い精度で住宅の電力需要を予測
このモデルは、VPPの重要な構成要素である蓄電池の充放電計画策定に大きく貢献することが期待されています。さらに、その応用範囲は広く、様々な規模の住宅に対して適用可能で、エネルギーマネジメントの最適化だけでなく、VPP構築に必要な太陽光発電設備や蓄電池のサイジングにも活用できる可能性があります。
産学連携がもたらす相乗効果
この共同研究の成功は、レジルが持つ実務的知見と大量のデータ、そして田中研究室の高度な専門性が融合した結果と言えるでしょう。
田中謙司教授は次のようにコメントしています。「持続可能な社会実現へ向けての需要側の潜在力には年々期待が集まっています。今回の共同研究は、レジル社のデータや経験と研究室のこれまでの知見をあわせることで新たな可能性を示す研究成果を上げることができました。今後もこのような形で社会実装へ向けた研究開発を進めていきたいと考えています。」
レジルの挑戦:社会課題解決への道のり
レジルは2004年にマンション一括受電サービスを事業化して以来、マンションの修繕積立金不足という社会課題の解決に貢献してきました。現在は「結束点として、社会課題に抗い続ける」をパーパスに掲げ、以下の4事業を展開しています。
- 分散型エネルギー事業
- グリーンエネルギー事業
- エネルギーDX事業
- 脱炭素ソリューション事業
2024年4月24日には東証グロース市場に新規上場を果たし(証券コード:176A)、さらなる成長が期待されています。
未来への展望:脱炭素社会実現に向けて
レジルは、今回の研究成果を足がかりに、さらなる技術革新と事業展開を進めていく方針です。同社は、事業を通じて得られたデータを活用し、技術力を持つ研究機関等と連携することで、脱炭素社会実現へのさらなる貢献を目指しています。
この取り組みは、2050年のカーボンニュートラル実現に向けた重要な一歩となるでしょう。産業界だけでなく、私たちが暮らす住宅の脱炭素化も不可避なテーマとなる中、レジルの挑戦は今後ますます注目を集めることになりそうです。
編集部コメント
エネルギー事業部門編集部:「レジル株式会社と東京大学田中研究室の共同研究は、産学連携の可能性を示す素晴らしい事例です。AIを活用した電力需要予測モデルの開発は、VPPの実現に向けた大きな一歩となるでしょう。今後も両者の協力関係から生まれる新たな技術に注目していきたいと思います。」
新規事業開発部門編集部:「マンション一括受電サービスという既存事業を基盤としながら、VPPという新たな領域に挑戦するレジルの姿勢は、多くの企業にとって参考になるのではないでしょうか。既存のリソースを活かしつつ、新たな価値を創造する。そんなイノベーションの好例として、今後の展開が楽しみです。」注意事項: この記事の情報は執筆時点(2024年9月17日)のものです。最新の情報や詳細については、レジル株式会社の公式ウェブサイト(https://rezil.co.jp)をご確認ください。また、本記事の内容をもとに重要な決定を行う際は、必ず公式の情報源や専門家にご相談ください。
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