サロウィンとfifth group、美容業界の未来を変える合弁会社「X.Fund」設立へ ー 独自の”3つのカケル”戦略で事業承継問題に挑む

2025年9月9日、美容業界に大きな変革の波が起きようとしている。シェアサロンプラットフォームを全国展開するサロウィン株式会社と、急成長を遂げる美容室グループのfifth groupが、美容室M&A事業を主軸とする合弁会社「X.Fund株式会社(カケルファンド)」の設立で合意した。

深刻化する美容業界の構造的課題

現在、日本の美容業界は岐路に立たされている。経営者の高齢化と後継者不在により、年間数千件もの美容室が廃業の危機に直面。さらに、独立の難しさと雇用条件の厳しさから、美容師のキャリアパスは限定的になり、小規模サロンの多くが収益性の低さと経営ノウハウ不足に苦しんでいる。

こうした業界全体を覆う暗雲に対し、両社は革新的なアプローチで挑戦を開始する。

プラットフォーム力×現場経営力の融合

サロウィンは、『SALOWIN』『SALOWIN Suite』『Reco』など複数のシェアサロンブランドを展開し、全国200店舗、約2,000名の美容師が利用する巨大プラットフォームを構築。累計調達額約88億円という強固な資金基盤を持つ。

一方のfifth groupは、『fifth』『cinq』『elima』など6つのヘアサロンブランドを運営。創業16年目の年商1億円から、わずか数年で26.4億円まで急成長を遂げた実績を持つ。さらに、32法人・45店舗の経営コンサルティングを手がけ、データドリブンな経営と実践的な店舗運営ノウハウで多くのサロンの業績向上を実現してきた。

「3つのカケル」が生み出す新たな価値

X.Fundの名前に込められた「カケル」には、3つの意味がある。

1. 掛け合わせる ー 両社の強みのシナジー創出 サロウィンのプラットフォーム力とfifth groupの現場経営力を掛け合わせ、単体では実現できない革新的な価値を創出する。

2. 掛け算する ー 事業価値の最大化 買収後の事業成長にコミット。経営改善支援、集客力強化、コスト最適化、人材育成など、包括的な支援により、買収したサロンの価値を最大化する。

3. 賭ける ー 業界変革への本気の挑戦 両社の想いと覚悟を「賭ける」ことで、美容業界の構造改革という大きな挑戦に臨む。

経営者たちの決意

サロウィンの阿部友哉社長は「美容師が”この仕事を一生続けたい”と心から思える社会をつくるには、サロン経営の仕組み自体を再設計する必要があります。X.Fundは、その変革を後押しする起点になると確信しています」と語る。

fifth groupの木村允人代表も「私たちは、現場での経営課題と向き合い続けてきました。X.Fundでは、その知見を活かしながら、経営者と美容師の未来にとって”意味ある選択肢”を提供していきたい」と意気込みを見せる。

事業承継の新たな選択肢として

X.Fundは、後継者不在に悩む美容室オーナーに安心して事業を託せる承継先を提供する。オーナーの理念やサロンの特色を尊重し、既存スタッフの雇用継続と働く環境の改善を実現。さらに、地域の顧客との関係性を大切にした運営を継続することで、単なるM&Aではなく、サロンの持続可能な成長を支援していく。

また、美容師にとっても、fifth groupの技術ノウハウ共有によるスキル向上、人材交流による新たな学びの機会、サロウィンのプラットフォームを活用したキャリアの柔軟性など、これまでにない成長機会が提供される。

美容業界の未来を変える一歩

日本の美容業界が直面する構造的課題は、もはや個々のサロンの努力だけでは解決できない段階に来ている。X.Fundの設立は、業界全体の持続可能性を高め、美容師という職業の魅力を再定義する試みだ。

プラットフォーム企業と現場運営企業という異なる強みを持つ2社が手を組むことで、美容業界に新たなエコシステムが生まれようとしている。この挑戦が成功すれば、事業承継問題の解決だけでなく、美容師の働き方改革、サロンの収益性向上、そして何より、美容業界全体の活性化につながる可能性を秘めている。

美容業界の未来に「賭ける」両社の挑戦は、まさに今、始まったばかりだ。

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