日本の経済を支える中小企業やスタートアップ。その成長と発展に尽力する一人の男性がいる。株式会社アントレの中小企業・スタートアップ応援隊隊長、橋本貴弘氏だ。大手企業での経験と自身の起業経験を融合させ、独自の支援モデルを構築した橋本氏の軌跡を追う。
2007年、慶應義塾大学法学部政治学科を卒業した橋本氏は、株式会社リクルートに新卒入社。「リクナビNEXT」事業部に配属され、中途採用市場の最前線で9年間キャリアを積んだ。この期間、制作や商品企画、販促企画、そして顧客の採用コンサルタントなど、多岐にわたる業務を経験。人材市場の動向や企業のニーズを肌で感じ取っていった。
転機が訪れたのは2015年。リクルート内の独立支援サービス「アントレ」に異動したのだ。ここで橋本氏は、起業を志す人々や中小企業経営者と直接触れ合う機会を得る。その経験が、後の彼のキャリアを大きく左右することになる。
アントレでの3年間、橋本氏は営業として目覚ましい成果を上げ、四半期MVPや年間MVPなどを受賞。しかし、彼の挑戦はここで終わらなかった。2017年6月、パラレルワーカーとしての新たな挑戦を開始。ネイルサロンの経営に乗り出したのだ。
「実際に事業を経営してみると、会社員では得られない経験や知識が山ほどありました」と橋本氏は振り返る。「同時に、これらの経営ノウハウを広く共有することの重要性を痛感しました」
2019年4月、アントレはリクルートからスピンアウトし、株式会社アントレとして独立。橋本氏は新会社でPR事業責任者および新規事業責任者として、さらなる挑戦を開始する。
「中小企業やスタートアップには素晴らしい技術や製品があっても、それを世に知らしめる術を持っていない会社が多い。そこにこそ、我々の出番があると考えました」
橋本氏が立ち上げたPR支援サービスは、驚異的な成果を上げている。全クライアントの80%以上の案件で全国メディアからの取材を獲得。これは、大手企業でさえ簡単には達成できない数字だ。
「PR支援は単なる宣伝ではありません。企業の魅力を引き出し、適切な形で世に伝えること。それが結果的に、認知度向上や売上増加、さらには人材確保にもつながるのです」
橋本氏の挑戦は、PR支援にとどまらない。2023年11月からは情報経営イノベーション専門職大学の客員准教授も務めている。次世代の起業家や経営者の育成にも力を入れているのだ。
「日本の未来は、中小企業やスタートアップの活躍にかかっています。彼らが持つ可能性を最大限に引き出すこと。それが私の使命だと考えています」
橋本氏は、LinkedInやTwitterなどのSNSでも積極的に情報発信を行っている。最新のビジネストレンドや、支援している企業の成功事例など、フォロワーは日々、価値ある情報を得ることができる。
「情報は常に更新され続けています。我々支援する側も、常に学び続ける姿勢が必要です」
デジタル化が進む現代社会。その中で、人と人とのつながりの重要性を説く橋本氏。彼の挑戦は、日本の中小企業やスタートアップの未来を明るく照らし続けている。
編集部コメント:橋本貴弘氏の軌跡は、現代の起業家支援のあり方に一石を投じています。大企業での経験、自身の起業、そして幅広い支援活動を通じて得た知見は、単なるビジネス支援を超えた価値を生み出しています。特に、PRという切り口から中小企業やスタートアップの成長を後押しする姿勢は、従来の支援モデルにはない新しさがあります。今後、橋本氏の活動が日本の産業界にどのような影響を与えていくのか、引き続き注目していきたいと思います。同時に、こうした支援モデルが他の分野にも広がっていくことで、日本全体の産業競争力向上につながることを期待しています。
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