UMITRON PTE. LTD. (所在地: シンガポール、共同創業者 / マネジング・ダイレクター 山田雅彦)は、6月8日付にて株式会社産業革新機構、IDEOが参画するベンチャーキャピタル D4V、藤代真一氏、松岡剛志氏ら個人投資家を引受先とする初の第三者割当増資を実施し、総額9.2億円強の資金調達を完了したことを発表した。
初の増資で9.2億円を調達
今回の資金調達は、水産分野のアーリーステージ投資として世界過去最高額となる(2018年6月時点)。
今回の資金調達により、ウミトロンは既存サービスの事業基盤並びに研究開発の強化を実施するとのことだ。
第三者割当増資引受先一覧
株式会社産業革新機構(所在地:東京都千代田区氏、代表取締役社長 勝又 幹英)
D4V 1号投資事業有限責任組合(所在地:東京都港区、代表組合員 伊藤 健吾)
藤代真一氏、松岡剛志氏ら個人投資家
水産養殖は21世紀もっとも重要な産業の一つ。
今なお、成長を続ける水産養殖にテクノロジーを活用することで、海の持続可能な開発と魚の安全・安定供給を実現することがウミトロン社のミッションだ。
人口増加によるタンパク質需要の増大
国連の発表によると世界の人口は、2050年には97億人にもなることが予想されている※。
また、水を除く人体の構成成分としてタンパク質は脂質と並んで2番目に多く、生命維持のために、最も重要な栄養素の一つ。
このような背景の中、アジアを中心に世界的な健康ブームが起こり、食全体における動物性タンパク質の需要は拡大を続けている。
※ 国連World Population Prospects, the 2010 Revision
グローバルで関心が高まる水産養殖産業
タンパク質需要が増える一方、食料を生産する耕地の面積や単位面積当たりの収穫量には限界があり、農業・産業・都市の拡大は淡水資源不足をもたらしている。
また、牛・豚・鶏といった陸上動物は何千年も前から人の手で育てられている一方で、海洋魚類は未だに漁獲中心の供給が行われており、年間を通した安定供給や自然界の生物多様性保護の観点から水産養殖の需要が近年急速に伸び続けている。
テクノロジーで水産養殖の課題を解決する
成長を続ける水産養殖産業を支えるため、ウミトロンは最新のテクノロジーを駆使し、給餌の最適化に取り組んでいる。
給餌は、水産養殖における事業コスト全体の50%以上を占め、生産者の利益を圧迫している。
魚が必要する餌量を超える過剰給餌は、海の富栄養化や赤潮の原因となり、持続可能性な海洋資源確保にも影響を及ぼす。
ウミトロンは、IoT、衛星によるリモートセンシング、AIによるデータ解析を活用し、水産養殖における給餌の最適化と環境負荷の軽減を実現し、水産資源の持続可能な生産環境を構築していくということだ。
ウミトロンは、成長を続ける水産養殖にテクノロジーを用いることで、将来人類が直面する食料問題と環境問題の解決に取り組むスタートアップ企業だ。
シンガポール(本社)と日本(開発本部)に拠点を持ち、IoT、衛星リモートセンシング、AIをはじめとした技術を用い、持続可能な水産養殖のコンピュータモデルを開発している。
2017年6月に1stプロダクトとして「UmiGarden®」をリリースし、魚群データ解析を用いた給餌コストの最適化サービスを展開している。
同社は、世界中の養殖ノウハウを集積したコンピュータモデルを開発・提供することで、水産資源の安全性、環境性、安定供給並びに養殖業における労働環境の改善を実現し、持続可能な水産養殖を地球に実装することを目指している。
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