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デジタルネイティブ世代の化粧品カスタマージャーニーは?インドネシア20代女性の美容実態

株式会社インテージ(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:石塚 純晃)が、人口が東南アジア最大、世界第4位であるインドネシアに焦点をあて、デジタルネイティブと言われるジャカルタ在住20代女性の美容実態を調査した結果をまとめた。

その結果が今回公開されている。

「インドネシア20代女性の美容実態」調査結果をリリース

このレポートでは、アジア各都市の生活者の価値観や生活実態を把握するために実施しているインテージの自主企画調査Asia Insight Research※の2017年第2回調査および、スマートフォンを用いた日記式調査MyReco(マイレコ)の2つの調査結果に加え、インドネシアで活動しているインテージグループメンバーの知見も交えてインドネシアの「今」が紹介されている。 

(※Asia Insight Researchは、インテージグループが日本、中国、タイ、インドネシア、インド、ベトナムなどアジア各国で実施している自主企画調査だ。アジア各国の生活者の生活・消費実態や買い物・情報接触行動、意識・価値観を聴取している。)

[ポイント]

・ファンデーションの使用有無により、「しっかりメイク派」「ナチュラルメイク派」に分かれる

・「しっかりメイク派」は複数アイテムでベースメイク、リップメイク、アイメイク

・「ナチュラルメイク派」は、フェイスパウダー+リップメイクが主流

・友人・家族のくちコミの影響力が強く、化粧品購入後には友人・家族に情報シェア

ジャカルタ在住20代女性が使用している化粧品は?

まず、普段どんな化粧品を使用しているのかを見てみよう。

図表1は普段の化粧品の使用率だ。

使用率が高い順にフェイスパウダーが88%、口紅が76%、ファンデーションが54%となった。

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ファンデーション使用者=「しっかりメイク派」?

調査結果を詳細に見てみると、ファンデーションの使用有無により、化粧品全般の使用状況が大きく異なることが分かった。

ファンデーション使用者は非使用者に比べ、図表2にあるように化粧品アイテム全般の使用率が高く、1人あたりの化粧品使用アイテム数も平均8.1個と、非使用者の平均3.9個に比べて高い結果となった。

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この結果から、ファンデーション使用者を「しっかりメイク派」、ファンデーション非使用者を「ナチュラルメイク派」として美容に関する情報接触や購買行動を比較して紹介する。

「しっかりメイク派」、「ナチュラルメイク派」、それぞれの特徴は?

それでは、しっかりメイク派・ナチュラルメイク派、それぞれにどんな特徴があるのか。

Asia Insight Researchの2017年第2回調査の結果から、それぞれの特徴を以下のとおりまとめた(図表3)。

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しっかりメイク派は、ファンデーションの他に、フェイスパウダー、口紅、チーク、アイメイク製品など幾つもの化粧品を使用している。

化粧が好きということもあるが、フルタイム勤務者が多いことから仕事柄しっかりした化粧が求められるということや、車で通勤する人も多いため化粧崩れを気にする必要がないという背景もあるとみられる。

ナチュラルメイク派は、ベースメイクにはフェイスパウダーを、ポイントメイクには口紅を使用している。

ミニマムなお化粧しかしていない背景には、インドネシアでナチュラルメイクが流行していることに加え、1日6回の礼拝の度に洗顔をするという宗教的な理由がありそう。

また、ナチュラルメイク派には、移動手段としてバイクを利用している人が多く見られる。

交通渋滞だけでなく大気汚染も深刻化していることから、せっかく時間をかけて化粧をしても崩れてしまうのであれば、初めから最低限の化粧で済ませてしまおう、ということになるのではないか。

日本の女性は、ファンデーションやアイメイク製品など複数の化粧品を使って丹念にナチュラルメイクを仕上げるが、インドネシア女性にとっては、ほんの僅かな化粧品で素顔と近い状態に仕上げることを指すようだ。

化粧品購入時に参考にする情報源は?「しっかりメイク派」はデジタル、ソーシャルも活用

しっかりメイク派とナチュラルメイク派、それぞれが化粧品購入時に参考にしている情報源を見てみよう(図表4)。

しっかりメイク派・ナチュラルメイク派、どちらも1位は「TVCM」。

2番目に高いのは「友人や家族によるくちコミ」。

親しい人々のくちコミを信頼するというインドネシアの実態が結果に表れている。

YouTubeなどによる「オンライン広告」や「友人・知人や有名人のSNSやブログ」といったデジタル/ソーシャルのメディアや広告も上位に入っているが、まだTVCMやリアルのくちコミには及ばないようだ。

しっかりメイク派とナチュラルメイク派を比べると、しっかりメイク派の方が多くの情報源を使って自発的に情報収集をしている様子が浮かび上がってくる。

「企業のホームページ」や「企業のSNSやブログ」、「TV番組の紹介」「新聞/雑誌」を参考にしている人は、しっかりメイク派の方がナチュラルメイク派よりも10ポイント以上高くなっている。

その他にも、しっかりメイク派は「友人・知人や有名人のSNSやブログ」「くちコミサイトの評価」など、幅広い情報源を駆使して化粧品に関する情報を集めている。

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化粧品購入までのカスタマージャーニー

次に、スマートフォンを用いた日記式調査MyReco(マイレコ)で捉えた化粧品購入までのカスタマージャーニーを紹介する。

2018年1月6日から2月5日の1カ月間、ジャカルタ在住20代女性51名に、化粧品についての情報接触や購入について、MyRecoを使って記録をしてもらった。

その中から、しっかりメイク派のAさん(図表5・6)のジャーニーを紹介する。

「ナチュラルメイク派」 Bさんのプロフィール・カスタマージャーニーは「インテージ 知る ギャラリー」で公開の記事を参照。

https://www.intage.co.jp/gallery/indonesia01/

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SNSは閲覧のみでなく、「いいね」やコメントを残す

調査期間の1カ月間、Aさんは雑誌やSNS、CMといった複数の媒体で化粧品に関する情報に接触している。

主に化粧品ブランドのInstagramを参考にしていて、閲覧だけでなく必ず「いいね」をしたりコメントを残したりしている。

知りたいことはSNSを通して直接ブランドに確認をするというのが彼女のルールのようだ。

TVCMや雑誌は商品を知るきっかけとして利用し、更に情報が必要な場合はSNSを使う。

普段の情報収接触行動では友人や知人のSNSやブログも読んだりしているが、この1カ月間ではメーカーの説明や有名人のくちコミを参考にしている。

そして最後に店頭で商品を自分の目で確かめ商品を購入するというのが、Aさんにとって自然な流れのようだ。

購入した商品は、自分の肌に合う/肌悩みを解決してくれる、信頼のお気に入りブランド

次に購入した商品を見てみよう。

Aさんは1カ月の間に11個の化粧品を購入。

すべて化粧品店で購入した。

購入した商品のほとんどはWardah(ワルダー)の商品だ。

Aさんが化粧品を選ぶ際のポイントは、まずハラルであること、そして敏感肌のAさんの肌に合うこと。

これら2つのポイントを満たすWardahはAさんにとって特別なブランドだ。

過去に他のブランドの化粧品で肌がかぶれてしまった経験があり、新しい化粧品を試すまではとことん情報取集を行う慎重派だ。

一度お気に入りのブランドを見つけると、そのブランドの化粧品を積極的に試すというのが彼女の化粧品に対する考え方。

1月29日に複数の化粧品を購入しているが、化粧品購入前にSNSで商品情報をチェック、購入した後も帰宅すると店頭で気になった化粧品の情報収集を始めている。

また、Aさんは購入した11個の商品のうち使用感が気に入った5つの商品について、購入した日に家族や友人と話をしていた。

購入後には感想をシェアするのがインドネシア女性の常識?

前述のとおり、Aさんは購入した商品のうち、気に入った一部の商品について家族や友人に感想をシェアした。

また、BさんもSNSに商品の感想を投稿した。

このように、インドネシアでは購入した商品の感想をシェアすることが一般的なのか。

今回の調査対象者が、購入後にどのようなアクションを取ったのかを見てみよう。

今回の日記式調査に協力してくれた51名の女性のうち、25名が1カ月の調査期間中に商品を購入した。

その中にはAさんのように複数個購入した人もいたので、購入された商品の個数は全部で48個になった。

その48個の商品について購入後のアクションを見てみると、約4分の3の商品について家族や友人と話をしていることが分かった(図表7)。

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Aさんに限らず、今回調査に協力してくれた20代女性たちは、購入した商品について家族や友人と感想をシェアすることが多いようだ。

インドネシアは、SNSの普及が急速に進み、「Facebook大国」と言われている国である。

おしゃべり好きな国民性から、SNSでの会話やくちコミ・情報交換は当たり前となっており、情報収集や商品購入後の感想のシェアにSNSを活用することは、インドネシア人にとっては自然な流れと言えそうだ。

また、インドネシアでは未だ低品質なものや類似のパッケージを使用した偽物が出回っている。

また、交通渋滞が深刻なジャカルタでは、日本のように仕事帰りに気軽にお店に立ち寄って買い物をすることは難しい状況にある。

ジャカルタの20代女性がデジタルネイティブらしく、デジタルやソーシャルを活用して日々情報収集をしたり周囲と情報交換をしたりしているのは、買い物で失敗をしないために、しっかりと事前準備をした上で商品を購入したいという気持ちの表れなのかもしれない。

本レポートに使用された調査データについて

調査地域:インドネシア(ジャカルタ)

対象者条件:20-29歳の女性で、次の条件に該当の方-スマートフォン所有、化粧品を自身で選んで購入、普段の化粧品の購入方法が「決まった銘柄を買う」のみではない

標本抽出方法:アジアモバイルパネル※より抽出

ウェイトバック:なし

標本サイズ:インターネット調査 n=137/MyReco(マイレコ)調査 n=51 

調査実施時期:

インターネット調査2017年12月12日(火)~2017年12月20日(水)

MyReco(マイレコ)調査2018年1月4日~2月5日

※アジアモバイルパネル

https://www.intage.co.jp/service/platform/asia-mobile-panel/

インテージグループが保有する、アジアを中心としたモニター。

インドネシア、ベトナム、タイ、韓国、中国を中心に53万人以上が登録している(2018年3月現在)。

モバイルならではの特長を生かし、ユーザのフレッシュな意見を、より早いスピードで幅広いサンプルに聴取することができる

【株式会社インテージ】

https://www.intage.co.jp/

株式会社インテージ(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:石塚 純晃)は、「Create Consumer-centric Values ~ 企業のマーケティングに寄り添い、共に生活者の幸せを実現する」を事業ビジョンとして掲げ、様々な業界の企業のマーケティングに寄り添うパートナーとして、ともに生活者の幸せに貢献することを目指す。

生活者の暮らしや想いを理解するための情報基盤をもって、企業が保有するデータをアクティベーション(活用価値を拡張)することで、生活者視点に立ったマーケティングの実現を支援していくということだ。

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