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細胞培養技術を用いた食料生産を目指すインテグリカルチャー社が3億円の資金調達を実施

細胞培養技術を用いた食料生産、「細胞農業」をリードするインテグリカルチャー株式会社(本社:東京都文京区、代表取締役:羽生雄毅)は、5月25日(金)リアルテックファンド 、Beyond Next Ventures、農林漁業成長産業化支援機構(A-FIVE)、株式会社MTG、株式会社ユーグレナ、北野宏明(ソニーコンピューターサイエンス研究所代表取締役社長)、ほか投資家を引受先とした第三者割当増資により、合計3億円の資金調達を実施した。

インテグリカルチャー社の開発実績

同社は細胞培養技術によって作られた食品などの細胞農業製品を、消費者の手の届く価格帯で提供することで、持続可能なタンパク源を提供することを目指している。従来の細胞培養方法では、細胞質100gで数百万円のコストがかかっていたが、外部から成長因子を添加せずに様々な細胞を大規模に培養可能な汎用大規模細胞培養システム、通称”Culnet System”(特許取得済み)を開発している。

また、これを用いて鶏肝臓細胞の大規模初代培養により鶏フォアグラを1年前倒しで試作するなどのコンセプト実証が行われ、これにより一部の種類の細胞については100gで1万円以下相当まで原価が下がり、複数の事業会社より引き合いを受けている。

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今後の事業化計画

同社が開発する”Culnet System”は、筋肉細胞や肝臓細胞を含む様々な種類の細胞とその代謝副産物を、汚染の心配なく低価格で量産できることを最大の特徴としている。

今回の資金調達で得た資金でさらなる価格低減と生産システムの大規模化を段階的に実現し、2018年中にパイロットプラントを製作、2019年末から2020年初頭にかけて商業プラント1号機を建設する予定ということだ。

また、2020年の化粧品・健康食品向けの原材料を皮切りに、2020年代を通じて化粧品・健康食品・一般食品などの様々な細胞農業製品を順次市場投入する予定だとしている。

2020年代半ばには現行の食肉との価格等価を実現し、増加を続ける世界の食肉需要に対して持続可能な供給手段の実現が計画されている。

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低価格培養液について

現行の培養液に含まれる牛胎児血清(FBS)を一般食品を原料とする「FBS代替」で置換することで動物由来成分を不使用にし、価格を大幅に低減した培養液。同社技術である“Culnet System”とともに利用することで、細胞培養に必要な培養液のコストを1リットルあたり10円以下、従来の10000分の1以下まで低減する。

同社が開発する”Culnet System”について

細胞の増殖を促す成分を発する細胞と、筋芽細胞や肝臓細胞などの目標の細胞を同時に培養することで、上記の低価格培養液の効能を大幅に引き上げ、大規模で効率的な細胞培養を可能とするシステム。現行の使い捨てのバッチ式と異なり、”Culnet System”は連続フロー式で細胞培養を行うため、並列化や大型化によるスケールアップが可能だ。

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「細胞農業」について

細胞農業(Cellular agriculture)とは、動物や植物から収穫される産物(例:食肉)を、特定の細胞を培養することにより生産する方法。中でも細胞培養で作られた食肉「クリーンミート(純肉)」は持続可能なタンパク源として期待されている。

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