AI契約書レビュー「AI-CON(アイコン)レビュー」をはじめとしたリーガルテックサービスの開発・運営を行うGVA TECH株式会社(本社:東京都渋谷区、代表取締役 山本俊)は9月3日(月)、DBJキャピタル株式会社および西武しんきんキャピタル株式会社から第三者割当増資による約1.8億円の資金調達を実施したことを発表した。
日本初、AI活用の契約書自動生成機能(β版)を実装した「AI-CONドラフト」を提供開始、リーガルテックをさらに加速
今回の資金調達と同時に、日本初、AIを活用した契約書自動生成機能(β版)を実装した契約書作成支援サービス「AI-CONドラフト」の提供を開始するということだ。
現在は、対象契約書を秘密保持契約のみとしているが、9月中旬にはシステム開発契約・保守契約、アドバイザリー・コンサルティング契約、コンテンツ制作契約等の業務委託契約全般に対応し、年内には販売代理店契約、売買契約等、約20種類の契約書に対応していく予定だという 。
また、2019年春頃には「AI-CON」シリーズ全体での登録者数5,000社を目指しているとのことだ。
▲図:「AI-CON」シリーズを活用した契約書作成・レビューのイメージ
サービス開発の背景
昨今、事業のグローバル化や複雑化が進む企業活動において、経営基盤である法務への重要性は年々高まっている。
一方、大企業等にもかかわらず、法務専門部署を設置していない企業は全体の約3割※1にのぼる。
中でも、資本金5億円未満の企業のうち約5割が法務専門部署を設置していないなど(下表参照)、法務リスクに対する認識は依然として不十分であるのが現状だ。
▼法務専門部署(部・課)の設置状況(資本金別)
出典:経営法友会 法務部門実態調査委員会(2015)会社法務部【第11次】実態調査の分析報告
また、日本の全企業約382万社のうち、中小企業基本法によって定められる中小企業は約380万社※2存在するが、その多くは法務リスクに対する備えが不十分であるといえる。
それらの企業は、契約を交わす際、弁護士に依頼するなど時間とコストをかけて確認を行うか、十分な確認をせずに契約締結を行っている。
中には、契約書に潜むリスクを見落とし、法務上不利な立場でトラブルに発展するケースも存在し、ビジネスにおいて契約締結にかかる手間が意思決定のスピードや平等性を妨げる大きな原因となっている。
同社はこれまでも、ビジネスにおける法務格差をなくすべく、AIにより契約書のレビューを自動化する「AI-CONレビュー」などの開発を行ってきた。
今回の資金調達により、リーガルテックサービス「AI-CON」シリーズの開発体制を強化するとともに、サービスのさらなる利便性向上に向けた機能拡充を加速していくということだ。
AI-CONドラフトについて
「AI-CONドラフト」では、利用頻度の高い全17種類の契約書テンプレートを2018年6月より無料提供している。
企業の法務担当者はもちろんのこと、法務部や顧問弁護士を持たない中小企業やフリーランス、スタートアップなど、ビジネスに関わる全ての人に活用されている。
今回のリリースでは、契約条件に関する簡単な質問に20問程度回答するだけで、利用者の条件に応じた最適な契約書テンプレートを自動生成することが可能となる。
今回はβ版での提供となるため、対象契約書を秘密保持契約のみとしているが、9月中旬にはシステム開発契約・保守契約、アドバイザリー・コンサルティング契約、コンテンツ制作契約等の業務委託契約全般に対応し、年内には販売代理店契約、売買契約等約20種類の契約書に対応していく予定ということだ。
※今回はβ版のため、無料で提供するとのこと。なお、利用にあたっては利用者あたり1通までということだ。
▲「AI-CONドラフト」利用イメージ
▲契約内容に関する質問に回答していく様子
今後の展開について
契約業務は、大きく分けて(1)ドラフト作成、(2)レビュー、(3)交渉、(4)契約締結、(5)管理という5つのプロセスが存在するが、契約締結に向けた合意形成までのプロセスには事業者規模にかかわらず十分な法律知識が必要とされる。
同社は、ビジネスにおける法務格差をなくすために、契約業務における合意形成までのプロセスに着目し、本格的な法律業務をテクノロジーで効率化するプロダクトの開発を行ってきた。
▲図:契約書業務のフローと「AI-CON」シリーズの担当領域
「AI-CON」シリーズの普及により、安価に質の高いリーガルサービスを容易に受けられるようになることで、ビジネスにおける法律的な不平等が解消され、個人・法人にかかわらず誰もが対等に事業を行えるようになる。
2018年4月に正式リリースしたAI契約書レビューサービス「AI-CONレビュー」の登録者数は約1,000社を突破し、順調に増加傾向をたどっている。
2019年春頃には「AI-CON」シリーズ全体での登録者数5,000社を目標に、プロダクトの利便性向上を図っていくとのことだ。
今後も、同社の理念である「The Legal Service for YOU」を追求し、リーガルテックサービスの開発および提供を行っていくとしている。
今回の資金調達先について
・社名 :DBJキャピタル株式会社
・住所 :東京都千代田区大手町1丁目9番2号大手町フィナンシャルシティ グランキューブ
・代表者:代表取締役 鹿島 文行
・社名 :西武しんきんキャピタル株式会社
・住所 :東京都中野区中野2丁目29番10号
・代表者:代表取締役 榊原 隆
※1:経営法友会 法務部門実態調査検討委員会が2015年に行なった『会社法務部【第11次】実態調査の分析報告』より。
本調査では、経営法友会 法務部門実態調査検討委員会が、国内の企業法務部門の組織、人材、権限、活動内容、社外弁護士との関係等の変化について、1965年以来5年ごとに定点観測的に行なっている。
調査対象は上場企業および企業法務担当者で構成される経営法友会所属企業。
法務部門の設置状況に関する質問において、「法務専門部署(部レベル・課レベル)を置いている」と回答した企業の割合は全体の約7割という結果であった。
※2:2017年度中小企業白書(中小企業基本法第十一条に基づく年次報告書)より。
毎年、中小企業政策審議会の意見を聴いた上で、中小企業の動向に関する報告を国会に提出することが義務付けられている。
中小企業基本法の制定以降、2017年版で54回目の年次報告。
会社概要
※2018年8月末現在
会社名:GVA TECH株式会社
代表者:代表取締役 山本 俊
本社所在地:東京都恵比寿南一丁目1番1号ヒューマックス恵比寿ビル8階
設立:2017年1月4日
資本金:2億4458万9291円(資本準備金含む)
事業内容:「AI-CON」シリーズの開発・提供
役員・従業員数 : 11名
「AI-CON」シリーズについて
GVA TECH株式会社が開発・提供する「AI-CON」シリーズでは、契約業務における合意形成までのプロセスに着目し、本格的な法律業務をテクノロジーによって最大限効率化することを目指している。
2018年6月に正式リリースした「AI-CONレビュー」では、AI技術を活用した契約書レビューサービスを提供している。
そして今回、契約書作成支援サービス「AI-CONドラフト」では、AIを活用した契約書自動生成機能(β版)がリリースされる。
「AI-CONレビュー」と「AI-CONドラフト」を併用することにより、誰でも容易に契約書レビュー・作成ができるようになる。
※「AI-CONレビュー」の提供および運営は、GVA法律事務所が行っており、最終判定は同事務所の弁護士の責任において行われる。
GVA法律事務所の概要
事務所名:GVA法律事務所
所在地:東京都渋谷区恵比寿西一丁目7番7号EBSビル3階
代表弁護士:山本 俊
所員人数
日本弁護士(海外常駐含む)21名
マレーシア弁護士有資格者 1名
中国律師 1名
タイ弁護士(タイオフィス) 4名
司法書士 1名
事務局・パラリーガル 16名
代表プロフィール
山本 俊
GVA TECH株式会社 代表取締役
GVA法律事務所 代表弁護士
1983年、三重県生まれ。岡山大学法学部卒業。2008年、山梨学院大学法科大学院卒業。同年、司法試験に合格。弁護士登録後、鳥飼総合法律事務所を経て、2012年にGVA法律事務所を創業(現在グループで日本法弁護士21名、顧問先200社以上)。
累計で1000社以上を支援してきた中で感じた、大企業とスタートアップ・中小企業に存在する「法務格差」に対する問題意識から、2017年1月GVA TECH株式会社を創業。自らもスタートアップ企業の経営者として、リーガルテックを用いたプロダクト開発の指揮を執る。2018年4月より、AIを用いた契約書のリスク判定サービス「AI-CONレビュー」を提供開始。
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