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健康志向シニアからヤング/ミドルにも購入広がる。「サバ缶」市場の分析結果

株式会社インテージ(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:石塚 純晃、以下:インテージ)は9月12日(水)、昨今注目を集める「サバ缶」の市場状況を探るべく魚介類缶詰市場のデータ分析を実施し、その結果を公開した。

調査結果(以下リリースより抜粋)

ポイント

  • 「サバ缶」は昨年テレビで話題となり、12月には販売額が「ツナ缶」を抜き、伸長が続いている
  • 「サバ缶」ユーザーは健康志向の高いシニア層だけでなく、全世代へ広がっている
  • 「サバ缶」の食べ方も多様化。「そのまま」の割合は減り、「サラダ」での登場が増えている

「サバ缶」は昨年テレビで話題となり、12月には販売額が「ツナ缶」を抜き、伸長が続いている

魚介類缶詰市場が盛り上がっています。直近1年(2017年7月~2018年6月)の市場規模(金額ベース)は前年比で107%と大きく伸び、この10年で最大となりました。この伸びを牽引しているのが「サバ缶」。2017年に「ジョブチューン」(2/11、TBSテレビ)、「主治医が見つかる診療所」(8/28、テレビ東京)、「マツコの知らない世界」(12/5、TBSテレビ)などのテレビの情報番組で取り上げられたことを機に、その栄養価の高さと美味しさ、心臓病予防や中性脂肪改善といった健康、美容効果に注目が集まるようになりました。

図表1はこの2年半における魚介類缶詰の市場規模の変化を、インテージ全国小売店パネル調査〈SRI〉で捉えたものです。これまで、長期にわたってこの市場を牽引していたのは「マグロ油漬け缶(いわゆる「ツナ缶」)で、不動のトップの座にありました。しかし、2017年に入り、「サバ缶」の売り上げは、様々なテレビ情報番組で取り上げられたことで伸長。同年12月には、ついに「サバ缶」の販売額は「マグロ油漬け缶」を追い越しました。サバ缶の伸長は一過性のブームに留まらず、その後も前年比2桁伸長で推移し、市場の成長が続いています。

図表1

「サバ缶」ユーザーは健康志向の高いシニア層だけでなく、全世代へ広がっている

次に、ユーザー層を見てみましょう。インテージ全国消費者パネル調査〈SCI〉によると、魚介類缶詰のユーザーは、40~60代の女性が50%以上を占めています。一方で、サバ缶のユーザーを見ると、その構成はイワシ缶・サンマ缶に近く、全体と比べて60代の男女が多いという特徴がみられました(図表2)。

サバ缶をはじめ青魚缶は、DHA・EPAを非常に多く含み、血行の流れを良くして動脈硬化を防いだり、肌の新陳代謝を促進したりする効果があると言われています。これらの点で、サバ缶などの青魚缶はまさに健康意識の高いシニア世代のニーズに合致しており、男女関わらず60代ユーザーが多くなっている理由になっていると考えられます。

図表2

しかし、サバ缶の伸びを牽引しているのはシニア層のみではありません。1年間で何%の人がサバ缶を買ったのかを示す購入率を前年と比較したところ、全ての世代で購入率が増加していました(図表3)。サバ缶はシニア層以外のどの世代でも2.5ポイント以上購入率が増加していて、同様のユーザー層を持つイワシ缶と比較してもシニア層以外の世代への広がり方に違いがみられました。サバ缶は、健康志向の高いシニア層だけでなく、ヤング層、ミドル層へも普及し成長を続けていることがわかります。

図表3

「サバ缶」の食べ方も多様化。「そのまま」の割合は減り、「サラダ」での登場が増えている 

では実際、生活者は食卓でサバ缶をどう調理し、どう食べているのでしょうか。インテージキッチンダイアリー(東名阪エリアの20~60代の主婦を対象としたメニュー調査)で、サバ缶を使ったメニューの食卓登場回数の構成比を見てみましょう(図表4)。直近1年間(2017年7月~2018年6月)で最も多かった食卓への登場スタイルは、一番手軽で簡単な「缶詰そのまま(46.1%)」でした。ただ、ここで注目すべきは、前年と比較した際、「缶詰そのまま」の割合が2桁減となり、その他の様々な食べ方の割合が増加している点。例えば、「生野菜・野菜サラダ」「味噌汁」「魚介と野菜の炒め物」などが増加しています。また、前年はほとんどみられなかった「温野菜サラダ」「蒸し、ゆで野菜」「からしあえ」などの新たなメニューが、上位10メニューにランクインしました。

調理せずに「そのまま」の食べ方が主流でありつつも、サラダや野菜の調理にひと手間加えるような活用メニューの多様化が進んでいることがわかります。

図表4

一方、メーカー側では、サバ缶人気を追い風に、定番の水煮やみそ煮以外にも、「カレー煮」「トマト煮」「甘酢あんかけ」「ごま味噌風味」など多様な味付けや、「竜田揚げ」「炙り」といった調理法のアレンジ、さらには、ふたの開けやすさにこだわったパッケージなど様々な新商品を展開し、サバ缶のバリエーションを広げています。

インテージ全国消費者パネル調査〈SCI〉によると、サバ缶は購入率だけでなく、ユーザーひとりあたりが買う量(個数)も前年比123%と伸びていました。前述の多様な商品展開がそのまま食べるときやひと手間加えるときのメニューを広げ、飽きずに食べられることも、サバ缶のリピート購入を促している一つの要因と考えられます。

美味しい上に、魚を購入して調理するよりも遥かに簡便。栄養価も高く、価格も手ごろで保存性にも優れたサバ缶。「健康ブーム」に乗って全世代で購買が広がっています。各メーカーの積極的な商品展開や食べ方の多様化も相まって市場は広がりを見せており、今後も堅調に推移していくと思われます。この先どのように市場が展開し、どのように食卓に根付いていくのか、サバ缶から目が離せません。

パネルリサーチアナリスト 白井 翼

(以上リリースより抜粋)

使用されている調査データについて

【SRI(全国小売店パネル調査)】https://www.intage.co.jp/service/platform/sri/

スーパーマーケット、コンビニエンスストア、ホームセンター・ディスカウントストア、ドラッグストア、専門店など全国約4,000店舗より収集している小売店販売データ。このデータからは、「いつ」「どこで」「何が」「いくらで販売された」のかが分かる。店頭での販売実態を捉え、ブランドマーケティングや店頭マーケティングに活用することが可能だ。

【SCI(全国個人消費者パネル調査)】https://www.intage.co.jp/service/platform/sci/

全国15歳~79歳の男女52,500人のパネルモニターによる食品(生鮮・惣菜・弁当などを除く)・飲料・日用雑貨品・医薬品に関する消費者市場動向のトラッキングサービス。 このデータからは、「いつ」「どこで」「誰が」「何を」「いくらで買った」のかがわかる。消費者の顔を詳細に捉え、消費者を起点としたブランドマーケティングや店頭マーケティングに活用することが可能だ。

【株式会社インテージ】 https://www.intage.co.jp/

株式会社インテージ(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:石塚 純晃)は、「Create Consumer-centric Values ~お客様企業のマーケティングに寄り添い、共に生活者の幸せを実現する」を事業ビジョンとして掲げ、さまざまな業界の企業のマーケティングに寄り添うパートナーとして、共に生活者の幸せに貢献することを目指している。生活者の暮らしや想いを理解するための情報基盤をもって、企業が保有するデータをアクティベーション(活用価値を拡張)することで、生活者視点に立ったマーケティングの実現を支援していくとしている。

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