株式会社アンテリオ(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:仁司与志矢)は12月4日(水)、全国の医師1万6717人を対象に、「MR(※)からの定期的なメールによる情報提供の実態」について調査し、結果を公開した。
多くの製薬企業ではMRの生産性向上のために、タブレット端末を用いた説明やeプロモーションといったITを活用したツールを導入しているが、ここ1、2年はメールによる情報提供も増えおり、今回の医師に対する調査で、医師がメールで情報提供を受けている製薬企業の数や、MRを評価する上で重視しているポイントなどが明らかになっている。
※MR:製薬企業の医薬情報担当者。自社の医薬品の適正使用のために医師らを訪問し、医薬品に関する情報の提供、収集、伝達などを行う
調査結果(以下リリースより抜粋)
MRの総合評価の高い企業ほど積極的にメールを活用
医師がどの製薬企業からメールで定期的に情報提供を受けているのかを確認したところ、最も認知度が高かったのは第一三共でした。上位7位までの製薬企業は、MR評価における総合ランキングにおいても上位7社にランクインしており、メールが医師との重要なコミュニケーションツールの一つとして活用されていることが推察されます。
半数以上の医師が、過去1年間にMRからメールによる情報提供を受けていない
MRの訪問がある製薬企業の数については、75.9%の医師が5社以上と回答、平均13.5社でした。一方で、メールでも情報提供を受けている医師は半数以下で、平均でも1.5社にとどまっており、予想以上にメールを活用している製薬会社が少ないことがわかりました。
「訪問とメール」で情報提供を受けている医師が重視する、MRの「人間性」と「アポイント力」
医師がMRを評価する際に重視している項目について、メールによる情報提供の有無別に確認しました。その結果、「訪問およびメール」で情報提供を受けている医師が最も多く挙げたのは「人間性」で、「訪問のみ」よりも4.4ポイント上回っていました。特にメールは、顔の見えないテキストコミュニケーションであることを十分に意識した上で活用することが重要であると思われます。
また、「訪問のみ」と「訪問およびメール」で情報提供を受けている医師でギャップが最も大きかったのは「アポイント力」でした。単にメールで情報提供するだけでなく、それをきっかけとして面談につなげ、さらに症例ベースのディスカッションを行うなどといった双方向のコミュニケーションが求められているとも言えます。
[考察] 製薬企業・医師双方の課題解決のために、最適なアプローチを
今、製薬業界は再編の時期を迎えている。厳しい訪問規制や薬価改定を端緒としたMRの生産性向上への対策に加え、働き方改革の推進も求められている。
もちろん医師側の働き方改革も見過ごすことはできない。専門医制度の見直しや高齢化に伴う需要の変化などへの対応が求められており、中でも労働環境の整備や負担の軽減が喫緊の課題である。
メールによるアプローチは、製薬企業・医師双方の課題解決のために非常に有用である。しかしながら、今後メールを使用する製薬企業が増えれば、旧来型のSOVモデルの営業活動のようになりかねない一面もあり、本来の目的から逸脱してしまう恐れがある。
そのようなことを避けるために、製薬企業は医師にとって最適な手段を選んでスマートに情報提供することが重要であると考えられる。
分析担当:ファーマ・ソリューション事業部 室伏 俊昭
調査概要
調査方法:Webアンケート調査「MR評価(Rep-i)」
※ メールによる情報提供については、Rep-i本調査に追加で実施
調査地域:全国
調査対象:医師(27診療科)
有効回答数:16,717サンプル
病院勤務医(20床以上) 12,892サンプル
開業医(19床以下) 3,825サンプル
調査実施期間:2018年8月 ※年2回実施(2月、8月)※2011年より継続調査
調査主体:株式会社アンテリオ ファーマ・ソリューション事業部
調査内容:MRの総合評価、項目別評価、要改善項目等を確認
(以上リリースより抜粋)
【株式会社アンテリオ】 http://www.anterio.co.jp/
株式会社アンテリオ(本社:東京都千代田区神田駿河台四丁目6番地 御茶ノ水ソラシティ 13階、設立年月:1994年12月、代表取締役社長:仁司与志矢)は、調査、企画、分析における高度なスキルと豊富な経験・知識をコア・コンピタンスとし、ヘルスケア領域のマーケティングリサーチに精通したトップカンパニー。
インテージグループの一員として健康食品から一般用・医療用医薬品、医療機器までの幅広いヘルスケア領域のあらゆる課題に対して最適な意思決定をサポートしている。
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