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ANSeeN社、約3億円を調達。世界初の量産可能な超高解像X線イメージセンサ開発を推進

株式会社ANSeeN(代表取締役:小池 昭史)は11月21日(水)、リアルテックファンド、静岡キャピタル、はましんリース・信金キャピタル※1への第三者割当増資及び助成金※2により、シリーズAラウンドにて約3億円の資金調達を行ったと発表した。

世界初の量産可能な超高解像X線イメージセンサ開発を推進

※1 リアルテックファンド1号・2号投資事業有限責任組合、静岡キャピタル7号投資事業有限責任組合、はましん地域育成第二号・静大ベンチャーパートナーズ第三号投資事業有限責任組合による出資

※2 NEDO:平成30年度「研究開発型ベンチャー支援事業/シード期の研究開発型ベンチャーに対する事業化支援(STS)」他

ニュースリリース(PDFダウンロード):https://prtimes.jp/a/?f=d38353-20181121-1891.pdf

同社は「目に見えないものの可視化」をビジョンに掲げる静岡大学発ベンチャーだ。

1895年にレントゲンにより発見された物体を透過する未知の光は、未知を意味する「X線」と呼ばれ、現在では、物体を破壊せずに内部を知ることができる特徴から、特に医療用途、胸部X線撮影などで身近な存在となっている。

しかし、未知なるX線の特性は未だ十分に発揮されていない。

同社は、そのX線の特性を存分に引き出し、「目に見えないものを可視化することで人々の不安を解消する」ことに挑戦し、世界で初めて、X線の最小単位であるフォトン(光子)1つを捉える究極のイメージング(フォトンカウンティング)を可能とする、大画面X線FPD※3の量産化を目指すということだ。

※3 Flat Panel Detector 平面検出器

自動運転技術は、ステレオカメラやLiDAR等電子デバイスが大きな役割を担うが、電子デバイスの品質は従来のスマートフォン向けに比べ桁違いの信頼性が求められる。

例えば、このX線イメージセンサが電子デバイスの欠陥を自動的に捉え自動運転車の信頼を高めることによって、同社が安心安全な社会の実現に貢献していくとのことだ。

新技術顧問の紹介

本資金調達と合わせ、GE Healthcare にてCTOを務めたMichel Harsh氏、日立パワーソリューションズにて研究開発センタ副技師長を務めた服部行也氏の技術顧問へ就任し、量産化に向けた開発を加速するとのことだ。

各技術顧問のプロフィールとコメントは以下の通りである。

Michel Harsh 氏

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・プロフィール

個人投資家 / マッキンゼー&カンパニー 医療機器産業シニアアドバイザー 1979年にGeneral Electricに入社。X線や超音波、磁気イメージング技術開発を長年主導し、2009年か2015年までGE Healthcare CTOとして売上1.8兆円の事業を統括。合わせてGE Venturesのエグゼクティアドバイザーを務め、研究開発型ベンチャー支援を経験。

・コメント(要約)

「大部分の商業用X線センサはシンチレータを有する間接変換型センサに対し、より精密にフォトンの特性を活用可能である直接変換型センサが開発されていますが、ANSeeNは既存の直接変換型に比べ、さらに100倍もの高いカウントレートを実現しています。これにより、医療用途では軟組織、骨などを高コントラストに観察することができ、セキュリティ用途では爆発物の検知が可能となるなど、これまでのX線イメージングでは実現できなかった深い洞察を得ることができます。」

※コメント全文(英語)はPDF版ニュースリリースを参照。

https://prtimes.jp/a/?f=d38353-20181121-1891.pdf

服部 行也 氏

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・プロフィール

日立パワーソリューションズ 研究開発センタ副技師長 / (株)日立パワーソリューションズX線センタシニアアドバイザー 1984年に(株)日立製作所に入社。核融合や加速器システムの技術開発を経て2006年以降からは量子ビーム計測技術開発に従事し、経産省、文科省の事業をベースとした研究開発を指導。

・コメント

「従来から化合物半導体を用いたフォトンカウンティングX線センサは開発されていましたが、大画面化するとコストが跳ね上がり、また面内均一性を保つことも難しく、利用できる分野が非常に限られていることが課題でした。ANSeeNはタイリング技術より大幅な低コスト化と高い均一性を両立させることに成功しています。将来的には、これまで見ることのできなかった自動車や鉄道の大型金属部品の検査も可能となり、より安心・安全な社会の実現に貢献していくと感じています。」

コアテクノロジー

1. フォトンの特性を引き出す高速計測処理技術

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同社はX線のフォトン(光子)ひとつひとつの特性をより多く引き出すため、独自に高速演算可能なLSIを開発した。

これにより、従来に比べ10倍以上の高いコントラストを実現し、電子部品欠陥の自動判別や疾患の早期発見が可能となる。

2. 大型化を可能とするタイリング技術

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従来、フォトンカウンティングX線FPDは、X線受光部に非常に高価な大型化合物半導体結晶を用いることが必須のため、天文衛星など極一部での利用に留まっていた。

同社は独自のレーザー技術により小型化合物半導体結晶を敷き詰めることを可能とし、FPDの大型化と低コスト化を両立している。

ANSeeNについて

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商号: 株式会社ANSeeN

代表者: 代表取締役 小池 昭史

所在地: 〒432-8011 静岡県浜松市中区城北3-5-1

設立: 2011年4月

事業内容:次世代放射線検出器の設計開発・製造販売

HP: http://anseen.com

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