フラー株式会社(本社:千葉県柏市、代表取締役:渋谷 修太、櫻井 裕基)は8月21日(火)、三菱UFJリサーチ&コンサルティング、立教大学大学院社会学研究科・木村忠正研究室と共同で、スマートフォンの実利用データを用いたスマホユーザー像の実態把握に関する共同レポートを作成したことを発表した。
三菱UFJリサーチ&コンサルティング、立教大学大学院社会学研究科木村忠正研究室と共同研究
今回、調査レポートより一部調査結果が発表されている。
調査方法やすべての調査結果などの詳細は、三菱UFJリサーチ&コンサルティングが8月21日に発表した政策研究レポート「スマートフォンの利用状況によるユーザー像の実態把握~約7割のスマホユーザーが該当する4つのクラスターの特徴~」を参照。
参考:三菱UFJリサーチ&コンサルティングのレポート
URL:http://www.murc.jp/thinktank/rc/politics/politics_detail/seiken_180821
調査の背景・目的
近年インターネット、特にスマホ経由のインターネット利用が急速に普及し、国内では10代~40代のスマホなどモバイル経由のネット利用率は、パソコン経由のアクセスよりも高い状況となっている。
こうした中、スマホの実利用データ「モバイルライフログ」を分析することで、人々のインターネット利用の実態把握だけでなく、生活行動やライフスタイル、嗜好性などを把握・可視化し、モバイルライフログの有用性や認知度の向上に寄与することを目指し、2018年1月、三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社、立教大学大学院社会学研究科・木村忠正研究室、フラーの3者が中心となり「スマートフォン実利用データ分析(Log Data Analysis of Smartphone Use)研究会」を立ち上げた。
今回はLDASU研究会の研究活動の一環として、スマホにインストールしたアプリケーションの利用状況などでユーザーを区分し、それぞれのユーザー像を分析した結果についてレポートにまとめて紹介されている。
このレポートは、実利用データからユーザー像を浮き彫りにすることで、モバイルライフログが持つ可能性の一端を示そうと成果を共同でまとめられたものだ。
フラー社は今後、モバイルライフログを精緻な分析をLDASU研究の一員として実施することで、インターネット利用の実態を把握するだけでなく、生活行動やライフスタイル、人々の嗜好性などを把握したり可視化したりすることを通じて、モバイルライフログの有用性や認知度の向上に寄与するとしている。
参考:三菱UFJリサーチ&コンサルティングのレポート
URL:http://www.murc.jp/thinktank/rc/politics/politics_detail/seiken_180821
調査結果のポイント
1. 主要アプリの利用率は「年代差」よりも「性差」の違いを反映
主なアプリなどについて性・年代別×時間帯別の利用率を集計・分析したところ、「年代差」よりも「性差」による違いが利用率に表れていることが確認できた。
男性・女性ともに、平日は朝7時台、昼12時台、夕方17時台以降に3つの利用率の山がみられるが、特に男性では、登校・出社後の午前の就学・就業時間帯、また、昼休み後の午後の就学・就業時間帯の主なアプリなどの利用率の落ち込みが顕著となっている。
図表. 性・年代別×時間帯別の主なアプリケーション等の利用率 (20代未満、調査期間1週間の曜日別推移)
出所:三菱UFJリサーチ&コンサルティング
2. 上位4グループがユーザーの7割に該当
性別や年代、インストールしているアプリ、起動回数などでユーザーを30のクラスター(区分)に分けて分析したところ、上位4つのグループの合計だけで分析対象となった全体ユーザーの7割を占めることが確認できた。
図表. 主要4クラスターのユーザー・利用実態の特徴 (概要)
出所:三菱UFJリサーチ&コンサルティング
分析・検討に用いたデータ(本レポートのバックデータ)
【A】インストールされているアプリケーション等のデータ(所持データ)
データ項目:利用端末のユニークID(フラー社が採番したユーザーの管理ID)
端末内のアプリケーションの固有ID、名称、カテゴリ名/等
抽出基準:フラー社が保有する数万規模のデータから、5,000名分のデータを抽出
-Android OSのスマートフォンユーザー
-性別及び20歳未満/20代/30代/40代/50代以上の5つの年代区分の計10区分を対象に、各区分500サンプルずつ層化無作為抽出
-2017年1月中に、上記ユーザーの利用端末からフラー社に送信されたデータのうち最新のものを2017年1月末時点のアプリケーション所持データとして記録
【B】インストールされているアプリケーション等の起動(利用)に関するデータ
データ項目:アプリケーションの「実利用」に関するデータ
-利用端末のユニークID(フラー社が採番したユーザーの管理ID)
-利用端末のAndroid OSのAPIバージョン
-利用端末の開発メーカー/モデル名/言語設定/契約通信キャリア
-端末利用者の性別/年代
-端末利用者のアプリケーションの利用ログ/等
抽出基準:フラー社が保有する数万規模のデータから、5,000名分のデータを抽出
-Android OSのスマートフォンユーザー
-性別及び20歳未満/20代/30代/40代/50代以上の5つの年代区分の計10区分を対象に、各区分500サンプルずつ層化無作為抽出
-2017年1月25日(水)0時00分00秒から1月31日(火)23時59分59秒までのアプリケーション等の起動データ
分析データセット
・5,000サンプルのうち15サンプルは利用端末の言語設定が日本語ではなく(英語/韓国語/その他)、スマートフォンにインストールされたアプリケーションの利用には文化的差異も少なからずあると考えられることから、分析対象から除外した。
・上記に加え、対象期間中にGoogle Playで提供されているアプリケーション及びそれ以外のプリインストールのシステム系などの起動実績が一度もない119サンプルを除く計4,866サンプルのデータを用い分析を行った。
・なお、スマートフォン内のアプリケーションの利用実態に関する分析では、4,866サンプルのうち、それ以外のプリインストールのシステム系などの起動実績はあるものの、Google Playで提供されているアプリケーションの実利用実績がない23サンプルをさらに除外した4,843サンプルを対象に分析を行った。
データに関する留意事項
※上記のデータは、フラー社の自社アプリケーションの利用規約の範囲内で、当該アプリケーションの保有者(規約同意者)から取得したものである。
※上記データは、フラー社が開発したスマートフォンの端末管理アプリをインストールしているユーザーを対象としている。
そのため、調査対象を住民基本台帳などから無作為抽出してきた従前の社会調査の枠組みとは性格の異なるものである。
なお、2016年12月時点の国内における携帯電話の事業者別契約者数(下記前者)と本研究会の分析データのユーザーのキャリア(下記後者)の分布を比較すると、本データがAndroid OSのスマートフォンユーザーのみを対象としているため、本研究会の分析データでは、ソフトバンク社の比率は実際の契約者数の構成比に比べ少ない。(これは、ソフトバンク社の契約者の多くがAndroidではなくiOS利用していることが原因と考えられる)
- 2016年12月携帯電話の事業者別契約者数(一般社団法人電気通信事業者協会の公表値)NTTドコモ[45.8%]、au[29.8%]、ソフトバンク,ワイモバイル[24.4%]
- 本研究会の分析データNTTドコモ[49.1%]、au[32.3%]、ソフトバンク,ワイモバイル[11.8%]、その他[6.5%]
出所:三菱UFJリサーチ&コンサルティング
フラーの会社概要
会社名:フラー株式会社
本社所在地:〒277-0871 千葉県柏市若柴178番地4
柏の葉キャンパス148街区2 KOIL
代表者:代表取締役 渋谷 修太、櫻井 裕基
設立:2011年11月
事業内容:スマートフォンアプリ分析支援事業、スマートフォンアプリ開発支援事業
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