日本酒に特化した事業を展開する株式会社Clear(所在地:東京都渋谷区代官山町3-13、代表取締役:生駒龍史)は10月31日(水)、KLab Venture Partners株式会社、および複数の個人投資家より、総額7,500万円の資金を調達したと発表した。
これからの日本酒産業を牽引するリーディングカンパニーを目指し、さらなる事業拡大へ
これからの日本酒産業におけるリーディングカンパニーを目指すClearは、今回調達した資金をもとに、2018年7月にリリースした高価格日本酒の開発・販売サービス「SAKE100(サケハンドレッド)」の事業拡大に必要な人材の採用、ならびに、マーケティングに関連する施策に注力していくとのことだ。
資金調達の概要
株式会社Clearは、日本酒関連事業に特化したベンチャー企業として、2013年に創業した。
『未来視点のサービスでSAKEの市場・文化を発展させる』をミッションとし、現在は、日本酒専門WEBメディア「SAKETIMES」(2014年リリース)や、日本酒の魅力を英語で発信する「SAKETIMES International」(2016年リリース)を運営している。
2018年7月には、新事業としてオリジナル日本酒の開発・販売を行うECサービス「SAKE100(サケハンドレッド)」をリリース。
『100年誇れる1本を。』をテーマに、高品質・高価格の”プレミアム日本酒”をインターネットで販売し、日本酒における高価格帯市場の形成を目指している。
今回の資金調達によって、特に「SAKE100」の事業拡大に向けた人材の採用、ならびに、マーケティング施策を推進していく予定だという。
今回の出資者は以下の通り。
・KLab Venture Partners株式会社
・塩田元規氏(株式会社アカツキCEO)
・香田哲郎氏(株式会社アカツキCOO)
・柳澤安慶氏(株式会社ファンコミュニケーションズ代表取締役社長)
・脇丸俊郎氏(メドピア元COO、現MIMS Pte. Ltd.日本カントリーマネジャー)
・他一名
「SAKE100」について
「SAKE100」は『100年誇れる1本を。』をテーマに開発した、高品質・高価格のオリジナル日本酒を販売するD2Cコマース。
全国各地から選りすぐったパートナー酒蔵とともに、唯一無二の価値をもつ日本酒を開発し、少数精鋭でラインアップしていく。
SAKE100|100年誇れる1本を。
「SAKE100」が目指すのは、日本酒における高価格市場の確立。
そのために、非日常のシーンで体験する嗜好品としての日本酒の魅力を、様々な価値軸で打ち出していく。
私たちは、日本酒がSAKEとして世界中で認知され、親しまれる未来を目指している。
今回の資金調達をもって、「SAKE100」の事業拡大に向けた新たな人材採用、ならびに国内でのマーケティング施策を推進していく。
さらに海外市場(アメリカ・中国・香港・シンガポールを想定)におけるテストマーケティングを行い、本格的な海外展開に向けた足がかりをつくる。
なお、Clearでは「SAKE100」の立ち上げにあたって、2018年7月に1965年創業の老舗酒屋「有限会社川勇商店」の発行済み株式の全てを取得し、完全子会社化。同社の持つ酒類小売業免許は、小売業における課税移出数量・品目・地域の制限がないため、今後、免許上の制限というボトルネックのない事業展開が可能となっている。
SAKE100の商品紹介
・第1弾商品:『百光 -byakko-』 “上質”を極めた、至高の1本
日本酒における「上質」を追求した1本。
最高峰の酒造技術をもつ楯の川酒造(山形県)と共同開発し、こだわりの有機栽培米を精米歩合18%まで磨き上げることによって、いっさいの雑味がない、なめらかでクリアな味わいと、美しく伸びていく余韻を実現している。
商品名:百光 -byakko-
製造元:楯の川酒造(山形県)
内容量:720ml
価格:16,800円(税込・送料別)
https://sake100.com/item/show/1
・第2弾商品:『深豊 -shinho-』 豊かな大地を、未来へとつなぐ純米酒
耕作放棄地となっていた田圃を開墾し、その土地で育てられた酒米を使用して醸した純米酒。
米の旨味を最大限に引き出すため、「生酛造り」と呼ばれる伝統的な製法を採用し、かつ、搾りたてのフレッシュさが楽しめるよう、直汲みの無濾過生原酒に仕上げた。凝縮された大地の力を感じられる1本。
商品名:深豊 -shinho-
製造元:数馬酒造(石川県)
内容量:720ml
価格:6,800円(税込・送料別)
https://sake100.com/item/show/2
・第3弾商品:『天彩 -amairo-』 累乗の悦び。至福のデザートSAKE
驚くほど濃密で甘美なオリジナル日本酒。
蜜のように濃厚な甘味、独特の酸味、ふくよかな旨味が幾層にも重なる味わいは、一般的な日本酒とはまったく異なる唯一無二のもの。
これまでの常識を覆す、新しいシーンにおける日本酒の可能性を示す。
商品名:天彩 -amairo-
製造元:美吉野醸造(奈良県)
内容量:500ml
価格:7,300円(税込・送料別)
https://sake100.com/item/show/3
Clearが目指すもの
「日本酒を知ることで、人生は豊かになる。すべての人へ、その魅力を伝えたい」
Clearが日本酒に特化した事業を行うのは、日本酒が人生を豊かにしてくれることをあらゆる人に知ってほしいという、シンプルな想いから。
温度が5℃変わるだけで違った表情を見せ、世界各国の料理とペアリングできる味わいの多様性をもち、用いる器も実に様々な日本酒は、常に新しい発見を与えてくれる。
世界に数多あるアルコール飲料のなかでも、ここまで柔軟で懐の深いものは類を見ない。
2017年の日本酒の海外輸出金額はおよそ187億円。
同年のフランスワインが90億ユーロ(およそ1兆1,800億円)であることを考えると、日本酒の市場規模はまだまだ小さなものだ。
だが同社は、日本酒が国境や文化を超えて世界中の人々に愛される世界飲料になるポテンシャルをもっていることを確信している。
だからこそ、高価格日本酒という、これまで確立されてこなかった新たな市場にも堂々と打って出ることができるのだ。
日本酒を製造する酒蔵は年々減り続け、日本酒の国内消費量も続落している。
WHOはアルコールの有害な飲用を低減するための世界戦略を採択し、国内でも2014年にアルコール健康障害対策基本法が制定されている。
飲酒による社会問題や健康問題には、ますます誠実に向き合っていく必要があるだろう。
そのような時代だからこそ、あらためて日本酒の価値を見直し、嗜好品としての魅力を世界中に伝えていくことが必要だ。
強引に消費量を増やすのではなく、価値を高めることで単価を上げていく方向にシフトすべきではないだろうか。
日本酒の魅力は、その多様性である。
味わいや楽しみ方、地域性だけでなく、価格の多様性があって然るべきだろう。
安価で美味しい日本酒もあれば、高い付加価値をもつ高価格な日本酒もある。
ワイン市場と同様に、日本酒においても、マーケットの多様性が重要になってくると考える。
長い歴史のなかで培われてきたの日本酒の市場・文化に充分な理解と敬意をもって、日本酒の新しい歴史を切り拓いていく。
Clear社は、それが日本酒ベンチャーとしての使命と認識しているということだ。
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